【東兵庫】長田の147キロ右腕・橋本達弥散る…報徳・小園4タコ斬りも

スポーツ報知
長田・橋本達は報徳学園打線を9回3安打1失点に抑える好投を見せる(カメラ・森下 知玲)

◆第100回全国高校野球選手権記念東兵庫大会 ▽準々決勝 報徳学園1―0長田(24日・ほっともっと神戸)

 東兵庫では、長田の最速147キロ右腕・橋本達弥(3年)が3安打1失点の好投も報われず、準々決勝で敗退した。それでも、今秋ドラフト上位候補で報徳学園の小園海斗内野手(3年)を4打数無安打に封じてプロの注目を集めた。

 公立の星が、ドラフト上位候補をねじ伏せた。0―1の8回2死、長田の147キロ右腕・橋本達は、報徳学園の小園海斗内野手(3年)とこの試合4度目となる対戦を迎えた。打席に入り、ニヤリと笑う名門の1番打者と目が合った。「ここまでレベルの高い選手と勝負するのは初めて。下克上してやろうと、三振を狙いにいっていた」。得意のフォークで鮮やかな空振り三振に仕留めた。

 22日の滝川二戦で、中堅120メートルのバックスクリーンへの特大アーチを放った小園を4打数無安打に封じ、「今まで見たフォークの中で一番エグい」と、うならせた。視察した巨人の益田スカウトも「経験値が上がれば、これから伸びる。いいピッチャー」と絶賛した。

 4強入りを逃したものの、春夏合わせて甲子園3度の優勝を誇る報徳打線を3安打無四球1失点に抑えた。安打のうち2本はテキサス性。強豪に通用するだけの実力を見せつけた。「序盤から調子が良かった。報徳打線を抑えて自信につながった」と涙はなく、充実感を漂わせた。

 準備は万端だった。昨夏の兵庫大会直前に腰を痛めて秋は休養した。投げ込みができず、ブランクを感じていた。フォークの精度を戻すために普段から指を広げて柔らかくし、フォークの握りでキャッチボールをした。動画でプロの練習を見て、また動画から読唇術でコーチが指導している内容を取り入れるなど、探求心は人一倍だ。

 一昨年の才木浩人(須磨翔風→阪神)、昨年の山本拓実(市西宮→中日)に続いて、兵庫の公立校からまた好投手が現れた。プロの評価も急上昇し、橋本達も進路を迷い始めている。「小園は昨夏の(高校)日本代表で遠い存在だったが、今日、抑えられたので同じ舞台に立てるかな」。最高峰の舞台でも、この2人の対決が見たくなった。(森下 知玲)

 ◆橋本 達弥(はしもと・たつや)2000年7月18日、神戸市生まれ。18歳。小学1年から「木津少年団野球部」で野球を始める。桜が丘中では軟式野球部に所属。長田では1年夏から三塁手でベンチ入り。球種は2種類のスライダーとフォーク。50メートル走は6秒1。180センチ、76キロ。右投右打。家族は両親、姉、妹。

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