【北大阪】大阪桐蔭・根尾、準決勝ライバル対決“事実上の決勝戦”に「本当の戦い」

スポーツ報知
今大会初登板の大阪桐蔭・根尾が帽子を飛ばす力投を見せ、1失点で完投した(カメラ・谷口 健二)

◆第100回全国高校野球選手権記念北大阪大会 ▽準々決勝 大阪桐蔭2―1金光大阪(25日・シティ信金)

 南・北大阪大会でベスト4が出そろった。北大阪では、投打で今秋ドラフト1位候補の大阪桐蔭・根尾昂内野手(3年)が今大会初登板で4安打1失点完投。金光大阪に苦しみながらも、1点差で競り勝った。履正社は、4番の白滝恵汰内野手(3年)が先制3ランを含む2安打4打点の活躍。27日の準決勝は、大阪を代表する両雄の激突で、昨春センバツ決勝の再戦となった。

 最後の打者を右飛に打ち取ると、大阪桐蔭の根尾は捕手とグラブタッチを交わした。今夏初登板は、4安打7奪三振で1失点完投。5回以降は安打を許さなかった。「『1回で力尽きてもいい』ぐらいの気持ちでいった。ゾクゾクする感じも、チームが夏に勝っていくためには必要」。接戦の重圧の中で最少リードを守った。

 6月下旬から毎日、投球練習をして最後の夏に備えたが、4回戦までは“温存”された。打者・根尾は全3試合でマルチ安打で、通算10打数6安打2打点と貢献。準々決勝を迎え、西谷浩一監督(48)は「ここからは簡単な相手ではない」と満を持して投手・根尾を投入した。この日の朝に先発を告げられた二刀流は「よっしゃ~!」と興奮。「柿木(蓮)が1勝で横川(凱)が2勝。自分だけ勝っていなかったので、何とか貢献したかった」と発奮した。

 それでいて、マウンドでは冷静かつクレバー。5回は、相手の打ち気を逆手に取り、わずか4球で3人を片づけた。4球団が視察し、広島の鞘師スカウトは「関西では間違いなく一番いい投手。スライダー、ボディーバランスがいい」と評価。この日は4打数無安打だったが「いろんな可能性(野手や投手、二刀流)を考えている」と明かした。

 準決勝は、昨春センバツから公式戦3連勝中の履正社と対戦する。「向こうは何としてもやり返してくる。今日からが本当の大阪のトップレベルの戦い」。事実上の決勝戦でも、根尾が立ちはだかる。(伊井 亮一)

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