【東千葉】木更津総合・野尻幸輝が完投で3年連続出場決める 大阪桐蔭・根尾と中学時代岐阜選抜

スポーツ報知
9回2死満塁、最後の打者を打ち取り3連覇を達成した木更津総合・野尻(左)は、捕手・山中と抱き合う(カメラ・泉 貫太)

◆第100回全国高校野球選手権記念東千葉大会▽決勝 木更津総合10―2成田(25日・ZOZOマリン)

 東千葉からは、木更津総合が3年連続の出場。昨冬から投手に転向したばかりのプロ注目スラッガー・野尻幸輝(3年)が2失点で完投。投打でチームを甲子園に導いた。

 ゲームセットの瞬間、野尻はマウンド上で両手を突き上げた。9回2死までたどり着くも、打ち取った当たりが不運にも3連続内野安打に。2死満塁のピンチを迎えたが「コースを突けば絶対に打たれない。最後は気持ちで投げました」。最後の打者を138キロ直球で仕留める。灼熱(しゃくねつ)のZOZOマリンでナインと体をぶつけ合った。千葉県勢で3年連続となる夏の甲子園出場は市船橋以来20年ぶりだ。

 野尻は昨秋の公式戦が終わった後、強肩を買われて三塁手から未経験だった投手を兼任することに。背番号5だが、投手力が課題だったチームを救った。プロ注目スラッガーの成田・田宮裕涼(ゆあ)捕手(3年)には2安打を許したが、要所を締めて9回2失点で完投。打線も12安打10得点と大量に援護した。

 故郷は岐阜県山県市。高富中3年時には大阪桐蔭・根尾昂(3年)とともに岐阜選抜に選ばれた。地元や愛知県内の高校から多くの誘いがあったが、あえてすべて断った。関東には強豪校が集う。親元を離れ、その厳しい環境に身を置くことで、より高みに行くことを望んだ。「最後は子どもが決めること。快く送り出しました」と父・吉彦さん(54)。実績と伝統のある同校の門をたたき、最後の夏も結果を残した。

 1年夏から甲子園でベンチ入り。聖地の素晴らしさを仲間にも経験させてあげたい。その一心でやってきた。だからこそ「執念を燃やして木更津総合らしい野球を見せたい」と野尻。投打の柱は、大舞台に闘志を燃やす。(増田 寛)

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