【南神奈川】草むしりからリベンジV…横浜、昨秋コールド負けした鎌倉学園を撃破

スポーツ報知
9回無死二塁からこの回3人目の投手として救援した横浜の及川は夏の3連覇を決めガッツポーズ(カメラ・泉 貫太)

◆第100回全国高校野球選手権記念南神奈川大会 ▽決勝 横浜7―3鎌倉学園(29日・横浜スタジアム)

 横浜は多くの有力選手を擁しながら、昨秋の県大会準々決勝で鎌倉学園にまさかのコールド負け。そこからチームを立て直し、集大成となる夏の決勝で因縁の相手に完勝してみせた。30日には4大会で決勝が行われ、全56代表が出そろう。

 鋭いライナーが三塁手のグラブに吸い込まれると、ナインはマウンドに駆け出し、喜びを爆発させた。最後にマウンドに立っていたのは、2年生左腕の及川雅貴だ。「勝って泣いたのは初めて。鎌学を抑えられてよかったです」と涙を流しながら笑顔をはじけさせた。

 3年連続甲子園への道は、リベンジの道だった。鎌倉学園は、新チームになって臨んだ昨秋の県大会準々決勝で8―15の屈辱の8回コールド負けを喫した相手。及川も2回2/3で6失点と打ち込まれた。

 エースの板川も、その試合の8回に5四球を与えるなど5失点。全体練習から外された日々を振り返った。「厳しくされて当然です」。大敗後の1か月間はグラウンドで草むしりをした。個人プレーに走りがちだった姿勢を見つめ直した。再開された練習では、みんなと声を出し合い、練習の合間でも外野へ全力疾走した。

 今春の県大会準決勝で再戦し、12―0の5回コールドでリベンジ。そして3度目の対決となったこの日、先発した板川は6回途中までを0に抑えた。「練習に取り組む姿勢を変えた。準備や整備を率先してやるようになりました」。2年連続で決勝の勝利投手になったエース。悔しさをバネに成長を遂げた一人だ。

 最後の9回は夏の怖さを知った。4点差に迫られたが、必死の継投で逃げ切った。「最後まで投げたかったけれど、チームの勝利が優先」と板川は言う。平田監督も「3年生の引っ張る力、まとめる力が大きかった。甲子園でもやるべきことを理解してやってくれると思う」と頼もしげに見つめた。松坂大輔(現中日)を擁し春夏連覇して以来の夏の日本一を狙う横浜。20年前もそうだったように、苦しい戦いでこそナインは強くなる。(森下 知玲)

 ◆横浜OBたちもバンザ~イ
 中日・松坂(98年度卒)「甲子園出場おめでとうございます。記念大会でまた優勝することを期待しています」
 ロッテ・涌井(04年度卒)「優勝おめでとうございます。厳しく言いますが、最近は1、2回戦で敗退することが続いているので、優勝旗を持ち帰ることをOBとして楽しみにしています」
 DeNA・筒香(09年度卒業)「まずは甲子園出場おめでとうございます。甲子園で終わるわけではなく、これからの人生の方が長いのでミスを恐れず楽しんで思い切ってプレーしてほしいと思います」
 日本ハム・近藤(11年度卒)「なかなか最近甲子園で勝ててないので、頑張ってほしいですね。(同僚の)浅間と高浜と考えて何か贈れたら」
 日本ハム・浅間(14年度卒)「本当にうれしいです。なかなか見られる時間はないと思いますけど、自分も活躍してるのが後輩たちの目に入ればいいと思ってます」
 楽天・藤平(16年度卒)「自分たちの時は1勝だったので、それ以上勝って、たくさん校歌を聞きたいですね。一緒にやっていた後輩たちが頑張っているので、自分も早く1軍で投げられるように頑張ります」

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