【甲子園】星稜ナイン、松井さんと校歌歌った!エース・奥川、握手に感激 150キロ出た

スポーツ報知
始球式を行った星稜出身の松井秀喜氏は、先発投手の奥川〈1〉と握手を交わした(カメラ・石田 順平)

◆第100回全国高校野球選手権記念大会 ▽1回戦 星稜9-4藤蔭(5日・甲子園)

 史上最多の56校が参加し、第100回の記念大会が開幕。開幕戦では、センバツ8強の星稜(石川)がゴジラ効果で4年ぶりの初戦突破を果たした。同校OBの松井秀喜氏(44)=ヤンキースGM付特別アドバイザー=が「甲子園レジェンド始球式」を務め、バックを守ったナインが奮起。侍ジャパン高校代表候補の2年生右腕・奥川恭伸が自己最速を3キロ更新する150キロをマークするなど、投打で藤蔭(大分)を圧倒。観戦した大先輩に白星をプレゼントした。

 甲子園の黒土と、鮮やかな黄色のコントラスト。100回目を迎えた夏の開幕戦を制した星稜ナインは、高らかに校歌を歌った。ネット裏の松井さんも口ずさみ、テレビ解説をしていた山下智茂名誉監督(73)もナインの雄姿を見守った。現役当時、2年生遊撃手として三遊間を組んだ林和成監督(43)は「松井さんからもエネルギー、パワーをもらっていたと思う」と感謝した。

 有言実行で“奇跡のコラボ”を実現させた。先攻、後攻を決める「じゃんけん」で、公式戦勝率8割超の竹谷理央主将(3年)が勝利。宣言通り「後攻」を選択した。米国人の父、ペンドルトン・スティーヴンさん(50)は、松井秀喜ベースボールミュージアム(石川)で翻訳の仕事をしている。励みにしているのは、自室に飾られている記念写真。この日も松井さんから「大きくなったな」と声を掛けられていた。

 ナインは多くの思いを背負ってバックを守った。先発を託された2年生右腕・奥川恭伸は“松井効果”で粘投した。始球式直後に握手を交わし、「松井さんに『頑張って』と言われて、絶対に勝たないといけないと思った」と笑顔。「(始球式の)あの時間でリラックスできました」。初回1死から自己最速を1キロ更新する148キロ。6点リードで迎えた8回には、150キロをマークした。2年生の甲子園での150キロ超えは、05年夏の駒大苫小牧・田中将大、11年夏の花巻東・大谷翔平、13年春夏の済美・安楽智大以来、4人目だ。

 「8回は最後(交代)と聞いていたので、気持ちを切り替えて思い切りいった。150キロが出たのはうれしいけど、まだまだできると思っている。きょうは60点です」と自己採点した。

 5点リードの9回には、松井さんと同じ小・中学校、野球クラブ出身の1年生右腕・寺西成騎が甲子園デビュー。U―15侍ジャパンでクローザーを務めた背番号18は、自己最速の143キロをマークするなど、1回を完全投球。「松井さんは小さい頃からの憧れ。小学6年生の時、松井秀喜旗争奪学童野球大会で優勝して、記念写真を撮って握手してもらった。手が大きかった」と目を輝かせた。

 松井さんからパワーをもらったナインは白星をプレゼントして、見事に恩返しした。記念すべき100回目の夏。勢いのままに勝ち上がり、県勢初Vの吉報を届ける。(青柳 明)

 ◆奥川 恭伸(おくがわ・やすのぶ)2001年4月16日、石川・かほく市生まれ。17歳。宇ノ気小2年から野球を始め、宇ノ気中3年時には、現在バッテリーを組む山瀬慎之助と共に、全国中学校軟式大会優勝。星稜では1年春の北信越大会で公式戦初登板。今春センバツでは背番号11をつけ、3回戦(対近江)の延長10回にサヨナラ打。183センチ、82キロ。右投右打。家族は両親と兄。

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