横浜、ボクシング騒動も3発KO!2年ぶり初戦突破、次戦VS昨夏王者・花咲徳栄

スポーツ報知
5回1死、右翼フェンス直撃の当たりをランニング本塁打にした横浜の内海が、本塁で絶叫しガッツポーズ(カメラ・泉 貫太)

◆第100回全国高校野球選手権記念大会 第5日第1試合 ▽1回戦 横浜7―0愛知産大三河(9日・甲子園)

 東の横綱が貫禄の快勝発進だ。優勝候補の横浜(南神奈川)は、3番・斉藤大輝主将(3年)の2ランなど神奈川勢では春夏通じて初となるチーム1試合3本塁打の長打攻勢で、愛知産大三河(東愛知)を圧倒。2年ぶりの初戦突破を決めた。

 東のチャンピオンの強烈なパンチがさく裂した。3点リードの3回無死一塁。斉藤主将が内角高め、見逃せばボール球という直球を振り抜いた。「体が反応してとっさに動きました」。無意識に繰り出したバットから放たれた打球は、放物線を描いて左翼ポール際へ。ボディーブローのような中押し2ランとなった。

 手負いの2年生は足で稼いだ。5点リードの5回1死から内海貴斗が放った大飛球は、右翼フェンスを直撃し、白球が芝生を転々。南神奈川大会準決勝(対星槎国際湘南)の交錯プレーで右足付け根付近に軽度の肉離れを負いながら、必死にダイヤモンドを一周して本塁にヘッドスライディング。大会3年ぶりのランニング弾は、敵の戦意をそぐフックパンチのようだ。

 そして、とどめのストレートは7回。先頭の河原木皇太が左翼席にダメ押しソロ。チーム1試合3発は春夏通じて神奈川勢初で、内海の一発は金属バット採用の74年夏以降春夏通算2000号、河原木の一発は横浜の春夏通算30号。メモリアルずくめの一発攻勢で、22年ぶり出場の愛知産大三河をマットに沈めた。

 周囲の騒音にも動じなかった。初戦を2日後に控えた7日。同校が宿泊している大阪市内のホテルで、日本ボクシング連盟の臨時理事会が開催された。過去の暴力団関係者との交際などが問題視された山根明会長(78)の処遇をめぐる重要な会議に、ホテルには多数のテレビカメラなど報道陣が殺到していた。

 「入り口やロビーにメディアがたくさんいて、すごいことになっていた」と河原木。だが、1年時から3年連続出場の主力は冷静だった。選手ミーティングで、主砲・万波中正らが「気になるけど、試合に集中しよう」と呼びかけてナインに平常心を取り戻させ、豪快な3発でボクシング騒動をKOした。

 「心がざわざわして集中できないと結果も出ませんからね」と万波。自身は無安打に終わったが「チームの勝ちが最優先。4番が打てばチームが勢いづくと思うので、チャンスで1本打ちたいです」。昨夏王者・花咲徳栄と対戦する2回戦に向け、早くもファイティングポーズを取った。(増田 寛)

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