興南のトルネード左腕・宮城、8回無死満塁斬り!2回を1失点、昨夏リベンジ

スポーツ報知
8回1死満塁、投ゴロ併殺でこの回を無失点で切り抜けた興南の2番手・宮城(左から2人目)は、一塁手・仲村(右)から頭をなでられる(カメラ・泉 貫太)

◆第100回全国高校野球選手権記念大会第5日 ▽1回戦 興南6―2土浦日大(9日・甲子園)

 10年に春夏連覇を達成している興南(沖縄)は、藤木琉悠(3年)から宮城大弥(2年)につなぐ“琉球左腕リレー”で土浦日大(茨城)を下し、3年ぶりに初戦を突破した。

 琉球サウスポーがたすきをつないだ。2点リードの8回無死満塁。2番手のトルネード左腕・宮城が奮い立った。背番号13は左翼から救援。「1点もあげたくないと思った」と空振り三振、投ゴロ併殺。一打同点のピンチをゼロで切り抜けた。昨夏は1年生で初戦・智弁和歌山戦の先発を託されたが、5回途中4失点で6点リードを守れず、逆転負け。本塁打を浴びた映像を繰り返し見て、悔しさをバネにした。自己最速タイの143キロをマークし、2回1失点4奪三振。3年ぶりの初戦突破に導いた。

 エース・藤木は7回0/3を1失点(自責0)で天国に白星をささげた。昨夏の沖縄大会の開幕2日前。母方の祖父・儀間清孝さん(享年83)を亡くした。最上級生となって1番を背負い、「去年は負けて悔しかったけど、今年は勝つ」と仏壇に約束。直球は最速130キロに満たないが、スライダー、カットボールを駆使。「前半は90点で最後は50点くらい。宮城がしっかり抑えてくれてよかった」と胸をなで下ろした。

 我喜屋優監督(68)は「満塁(での継投)で酷かと思ったけど、打たれたら監督の責任と腹をくくった。何か持っていると思います」と宮城を称賛。「大舞台で彼だけは冷静に投球していた」と藤木に最敬礼した。50回大会の68年4強の主将だった指揮官は「パスポートを持って、船と電車を乗り継いで甲子園に来て、やればできると思った。100回大会は監督として50年前をかみ締めながらやりたい」。沖縄勢夏通算70勝に目を細めた。(山崎 智)

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