聖光・衛藤、自己最速146キロも敗戦 「次元違う」報徳の小園に二塁打3本

スポーツ報知
キャッチボールを終え抱き合う聖光学院・衛藤(左)と大松

◆第100回全国高校野球選手権記念大会第7日 ▽2回戦 報徳学園3―2聖光学院(11日・甲子園)

 大舞台で戦い抜いた充実感と、勝てなかった悔しさ。聖光学院のエース右腕・衛藤は目を赤くしながら、仲間と抱き合った。137球の熱投。球速は自己最速の146キロを記録しながら、相手プロ注目の小園に3本の二塁打を打たれたのが致命傷になった。いずれも、後続にチャンスを広げられて3失点。「全力を出し切った結果。楽しかった。小園君は次元が違うと思った」と涙をぬぐった。

 憧れの存在だった。同じ兵庫県出身。中学3年の時、尼崎市内のバッティングセンターで強振する小園を見て、当時捕手だった衛藤は「すごいとしか思えなかった。対戦するとは思わなかったけど」という。高校入学後に投手に転向。速球派の反面、右肘は疲労骨折を繰り返し、昨年7月と今春のセンバツ後に2度の手術も経験し「腕を振るのも嫌だった。もう辞めたいと思う時もあった」というが、背番号1は甲子園で投げ抜く夢を追ってマウンドに戻ってきた。

 今春のセンバツは3回1/3のみの登板から、最後の夏はしっかり投げきった。「もっとやりたい気持ちはあるけど悔いはない。2年生には上を目指してほしい」と衛藤。届かなかった甲子園制覇の夢を後輩に託した。(遠藤 洋之)

野球

×