「あの負けを糧に」八戸学院光星、11年春から初戦10連勝

スポーツ報知
延長戦で明石商に競り勝ち、応援席にあいさつに向かう八戸学院光星ナイン

◆第100回全国高校野球選手権記念大会第7日 ▽1回戦 八戸学院光星9―8明石商=延長10回=(11日・甲子園)

 2年前の大逆転負けの悪夢を振り払った。八戸学院光星の背番号10・中村優惟(ゆうい)が8回から3イニングを無安打3四死球無失点。11年春から春夏通じて出場10大会連続の初戦白星をつかんだ。

 16年2回戦の東邦戦で一時7点リードしながら、9回裏に5点を奪われてサヨナラ負け。相手の応援で熱狂する場内に、当時1年の中村はアルプスで「甲子園は怖いところ」と痛感した。この日も地元・明石商への手拍子が響き、6点リードを追いつかれたが、右腕は「ますます燃えてきた」と踏ん張った。

 「あの負けを糧に来た」と仲井宗基監督(48)。「みんなから好かれるチームになろう」とあいさつ、全力疾走を徹底。今夏の甲子園から毎朝、宿舎周辺の散歩でゴミ拾いを始めた。延長10回2死一、二塁で中村の左前打が敵失を呼び決勝点。右腕は「運がよかった」とツキも拾った。

 亡き友にも白星をささげた。2年生の吉川智行投手が9日に脳腫瘍のため死去。昨年11月から闘病していた後輩を思い、「吉川のためにも勝ちたかった」と中村。かつて怖さを覚えた聖地の景色を見やり、「一投一打で歓声が味方に変わる」とかみ締めた。(山崎 智)

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