報徳学園、小園劇場で8年ぶり勝利導いた「1勝をプレゼントしたかった」

スポーツ報知
3本の二塁打を放ち、勝利に貢献した報徳学園・小園(カメラ・石田 順平)

 ◆第100回全国高校野球選手権記念大会第7日 ▽2回戦 報徳学園3―2聖光学院(11日・甲子園)

 4万2000人の大観衆が「小園劇場」に酔いしれた。2―2の8回先頭、報徳学園の小園は、左中間に3本目の二塁打を放った。1死三塁から、長尾亮弥の左前打で決勝ホームを踏んだ。「大角先生が(監督として)初めての甲子園。1勝をプレゼントしたかった」。8年ぶりの勝利で16強一番乗りに導いた。

 初回は左中間に打ち返し、1死三塁から長尾の遊ゴロで先制ホーム。3回は右中間にはじき返し、これも1死三塁から長尾の浅い右犠飛で生還した。50メートル走5秒8の快足に加え、昨年のU―18W杯後から母・こずえさん(43)のサポートを受け肉体改造。体重は7キロ増え、鋭い打球が飛ぶようになった。全3得点で大会タイ記録の1試合個人最多3二塁打。「知らなかったけどうれしい」と顔をほころばせた。

 「守備範囲や肩に自信がある」と、定位置より後方の土と芝生の境目を守る“エリア小園”も特徴。中日の中田スカウトディレクターは「バットの使い方が抜群にうまい。(ドラフトは)いの一番でいかないと獲れない。立浪タイプだけど立浪より足が速い」と通算487二塁打の日本記録を持つ、元中日の立浪和義氏になぞらえた。父・孝志さん(46)は走り幅跳びの元選手で母は元女子サッカー選手。祖父・義光さんは社会人野球の東洋高圧大牟田で前巨人監督・原辰徳氏の父、貢さんとプレー。アスリートのDNAも受け継がれている。

 「1打席で三振したので次は全部打ちたい。一番長い夏にしたい」と小園。帽子のツバには「日本一のショート」と書いてある。大阪桐蔭の根尾昂(3年)と双璧をなす遊撃手が、才能の片りんを見せた。(伊井 亮一)

 ◆小園海斗(こぞの・かいと)

 ▽生まれとサイズ 2000年6月7日、兵庫・宝塚市生まれ。18歳。178センチ、79キロ。右投左打。高校通算37本塁打。

 ▽球歴 逆瀬台小1年から「宝塚リトル」で野球を始める。光ガ丘中ではボーイズリーグ「枚方ボーイズ」でプレー。全国大会優勝2度。3年時にU―15日本代表。報徳学園では1年春からレギュラー。2年のセンバツ4強。2年夏のU―18W杯で3位。侍ジャパン高校代表の2年生は、大阪桐蔭の藤原恭大外野手と2人だけだった。

 ▽親友 枚方ボーイズでチームメートだった藤原。赤色のグラブや金色のバットも同じ。妹・梨心さんのスマートフォンの待ち受け画面は「格好いい[ハート]」と兄ではなく、藤原の写真。

 ▽目標の選手 ヤクルトの山田哲人。宝塚リトルの先輩で、山田のプロ入団祝賀会では先導役を務めた。「(プロで)トリプルスリーを達成して、日本を代表する選手になりたい」

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