浦和学院の190センチ右腕・渡辺、仙台育英に“5年前”の雪辱「借りを返せてうれしいです」

スポーツ報知
先発した浦和学院・渡辺は、190センチの長身をいかして6回3安打無失点と好投(カメラ・泉 貫太)

◆第100回全国高校野球選手権記念大会第8日 ▽2回戦 浦和学院9―0仙台育英(12日・甲子園)

 浦和学院(南埼玉)は、今秋ドラフト候補の190センチ右腕・渡辺勇太朗(3年)が6回を3安打7奪三振で無失点と好投しベスト16に進出した。

 初回から闘争心をむき出しにした。2点の援護をもらった直後の初回2死一、三塁。浦和学院・渡辺は、仙台育英の5番・小関遥翔へ投じた2球目に自己最速に並ぶ149キロをたたき出した。最後は130キロのスライダーで空を切らせ、ピンチをしのいだ。「立ち上がりが課題でしたが、後ろの投手を信頼して投げることができました」。6回を投げ、4者連続を含む7奪三振。3安打無失点に抑え、6年ぶり白星をもたらした。

 憧れの投手をまねて進化した。身長190センチで、しなやかな投球フォームはエンゼルス・大谷にそっくり。昨秋、「ゆったりとしたフォームから安定した投球ができる」とまねしたところ、球速が昨夏から5キロアップ。ボールの伸びや球威も上がった。日本ハムの大渕スカウト部長も「スケールが大きくて夢のある選手。体を柔らかく使って投げられているし、大谷に似ているね」とうなずいた。

 因縁の対戦だった。春夏連覇を狙った13年に、初戦で仙台育英に10―11でサヨナラ負け。この日、球場入りするバスの中で森士監督(54)は「5年前の負けはお前たちの負けじゃない。お前たちが歴史を作れ」と呼びかけた。呪縛から解放されたナインは、伸び伸びプレーで12安打9点を奪い、完封リレーで快勝して見せた。

 「借りを返せてうれしいです」と渡辺。3回戦は二松学舎大付との関東勢対決だ。150キロの大台超えの期待もかかるが「力んでしまうので、試合では狙う気はありません」。チームの勝利だけが今の目標だ。(増田 寛)

 ★渡辺勇太朗(わたなべ・ゆうたろう)

 ▽生まれとサイズ 2000年9月21日、埼玉・羽生市生まれ。17歳。190センチ、90キロ。右投右打

 ▽球歴 小1から軟式の「手子林ブラックス」で野球を始め、小5から投手。羽生東中では軟式野球部に所属。2年時にエースとして全国大会に出場。高校では1年秋からベンチ入り

 ▽持ち球 直球、緩いスライダー、高速スライダー、カーブ、スプリット、ツーシーム

 ▽好きなアーティスト E―girls(イー・ガールズ)

 ▽憧れの選手 エンゼルスの大谷翔平

 ▽好きな食べ物 焼き肉

 ▽家族 両親と兄2人

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