大阪桐蔭・根尾、甲子園1号&夏初登板で初勝利!ドラ1候補コンビ・藤原とアベック弾

スポーツ報知
先発した大阪桐蔭・根尾は、8回4失点の力投を見せた(カメラ・泉 貫太)

◆第100回全国高校野球選手権記念大会第9日 ▽2回戦 大阪桐蔭10―4沖学園(13日・甲子園)

 史上初の2度目の春夏連覇を狙う大阪桐蔭(北大阪)は、投打で今秋ドラフト1位候補の根尾昂内野手(3年)が沖学園(南福岡)戦で甲子園初アーチを放った。投げては、夏の甲子園初登板で初勝利。同じくドラフト1位候補の4番・藤原恭大中堅手(3年)も一発を放ち「NF砲」が甲子園で初のアベック弾を記録した。順当に16強入りし、西谷浩一監督(48)は歴代3位に並ぶ春夏通算51勝目を挙げた。近江(滋賀)は前橋育英(群馬)にサヨナラ勝ちした。

 度肝を抜いた。7回無死、大阪桐蔭の根尾は初球、真ん中の直球を豪快なフルスイングで砕いた。「甘い球が来たので、ストライクは1球目からいこう、と」。低空で伸びていく衝撃的な弾道で、打球がバックスクリーンに入ると、4万5000人が詰めかけた聖地に大歓声が響き渡った。

 高校通算28号は、4季連続出場の甲子園で待望の初本塁打となった。「いい打球だった。やっと自分のスイングができた。甲子園でやっと1本出た」。ベンチ内で作業をしていた何人かから「見ていなかった」と言われてずっこけたが、クレバーな男は北大阪大会準々決勝、大苦戦だった金光大阪戦の反省を生かしていた。

 2―1の僅差で競り勝った試合で根尾は、1失点で完投したものの、打撃は4打数無安打に終わった。「投手だけに集中したらダメ。投手になったからこそ、いつもより打たないといけない」。2安打2四球と自らのバットで、夏の甲子園初登板初勝利をたぐり寄せた。

 投打で今秋ドラフト1位候補の二刀流は、自己最速タイの148キロをマークし、8回を8安打無四球(1死球)4失点と熱投した。一方で、2回は暴投で先取点を許し「(練習試合を含めて)初めて」という1試合2本塁打を浴びた。「投げ急ぎがあって、フォーム自体も少し突っ込んでいた」。2度も追いつかれる粘りに負けず、根尾が甲子園で登板すれば6戦全勝の“不敗神話”は継続。史上初となる2度目の春夏連覇へ、また一歩前進した。

 8回2死三塁では、藤原が左越え2ランを放ち、昨秋近畿大会の京都翔英戦以来、公式戦では2度目、甲子園では初の「NF砲」のアベック弾。「狙いすまして打っていた。『すごいな』と思った」と、負けん気に火がついた。

 普段もティー打撃など一緒に練習することが多く、根尾は藤原を「(自分が)まさっていると思ったことはない。足の速さや守備の勘は、マネしたいし、欲しい」と、一目置く。藤原は根尾を「投げても打っても高校生では一流。身近になかなかいない」と、高い次元で刺激し合う存在だ。

 甲子園通算15試合で、根尾が無安打に終わったのは1試合だけ。昨春センバツ決勝の履正社戦から11試合連続安打だ。それでも「(投打の)どっちも50点ぐらい。このままでは次の試合は勝てない」と一切、気を緩めなかった。第100回記念大会の主役は、この程度の活躍では満足しない。(伊井 亮一)

 ◆甲子園を沸かせた主な“強打者”コンビ

 ▽畠山&水野
 82年夏の池田、「やまびこ打線」の中心はエースで4番の畠山準、2年生で5番・左翼の水野雄仁。準々決勝で早実の荒木大輔を攻略。アベック弾なし。

 ▽清原&桑田
 PL学園の「KKコンビ」は83年夏から5度の甲子園すべて出場。清原和博は甲子園通算13発、桑田真澄は6発。アベック弾は84年春と85年夏に1本ずつ。

 ▽片岡&立浪
 87年に春夏連覇したPL学園。アベック弾はないが立浪和義、片岡篤史が打線を支えた。1学年下には宮本慎也がいた。

 ▽平田&中田
 05年夏の大阪桐蔭・平田良介は準々決勝の東北戦での1試合3本塁打など高校通算70本塁打。2学年下の中田翔は同87本塁打。アベック弾なし。エース辻内崇伸。

 ▽北條&田村
 光星学院で12年夏、2試合でアベック弾を放った北條史也と田村龍弘。それぞれ阪神、ロッテで活躍している。

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