常葉大菊川・岡田、フルスイング代打打「準備はしていた」6回貴重な1点で16強!

スポーツ報知

◆第100回全国高校野球選手権記念大会第10日 ▽2回戦 常葉大菊川3―0日南学園(14日・甲子園)

 菊川が3―0の快勝で5年ぶりのベスト16入りだ。2回戦で日南学園(宮崎)と対戦した常葉大菊川は、3回に3番・鈴木琳央の甲子園初安打で先制すると、6回には代打・岡田竜汰の内野安打で追加点。守備も4併殺と鉄壁を誇り、エース・漢人友也(いずれも3年)が88球で完封した。菊川の2回戦突破は13年以来で、県勢の「夏2勝」は09年の常葉橘以来9年ぶり。96年の初出場以来、夏10勝目の節目の勝利となった。3回戦は17日、近江(滋賀)と対戦する。

 伏兵のフルスイングが菊川の勝利を確実にした。1―0の6回2死三塁で、高橋利和監督(32)が代打に送り出したのは背番号18の岡田。聖地での初打席だったが、その期待に見事応えた。「緊張はなかった。準備はしていた」と初球を振り切ると、打球は三遊間に飛び、遊撃手が飛びつくも内野安打に。貴重な1点がスコアボードに刻まれた。

 3年春までベンチ入りしていたが、打撃不振で夏はメンバー外。甲子園は第3捕手としての登録だった。公式戦の打席は2年春の県2回戦(対清水桜が丘)以来、1年4か月ぶりだ。

 だが夏のメンバーを外れても練習に参加してバットを振り続けていた。「最後まで諦めなかった。そんな子が打ってくれて本当にうれしい」と指揮官。将来は理学療法士を目指しており、9日の完全オフも外出せず大学受験に備えて勉強していた。そんな努力家は、試合後に「想像もしていなかった」というテレビのお立ち台に呼ばれて「緊張しました」と苦笑した。

 試合は序盤から菊川ペース。この日の朝、同部屋の奈良間大己主将(3年)から「オレが出るからお前が返してくれ」と言われていた鈴木が、その言葉通りに3回に左前打。三塁から奈良間を迎え入れ、「甲子園初安打が打点つき。本当によかった」と喜んだ。

 8回1死三塁では「ここで打たなきゃ」と、岡田の浜松南シニアの後輩にあたる伊藤勝仁(2年)がダメ押し打。「岡田のヒットは最高でした。あの1点でチームが盛り上がった」と奈良間。この勢いで近江にぶつかる。10年ぶりの8強は目の前だ。(里見 祐司)

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