高岡商、胸張れ!71年ぶり8強届かずも大阪桐蔭に1-3大善戦

スポーツ報知
大阪桐蔭に敗れ、ベンチに戻る高岡商ナイン

◆第100回全国高校野球選手権記念大会第12日 ▽3回戦 大阪桐蔭3―1高岡商(16日・甲子園)

 優勝候補の筆頭格に食らい付いた。2年ぶり19度目出場の高岡商(富山)は、春夏連覇を狙う大阪桐蔭(北大阪)に1―3で惜敗し、1947年以来、71年ぶりの8強進出はならなかった。

 それでもエース左腕・山田龍聖(3年)が3失点完投、11Kと躍動。打線も2回に4番・筏(いかだ)秀生捕手(3年)のヒットを足がかりに先制するなど、春の王者を苦しめ、甲子園を大いに沸かせた。

 高岡商ナインは最後まで諦めなかった。2点を追う9回。攻撃前の円陣で吉田真監督(35)からゲキが飛んだ。「『最攻挑(さいこうちょう)』でいくぞ!」。超攻撃的野球を表すスローガンの通り、先頭の6番・堀裕貴(2年)が右前打で出塁も、後続が倒れ、目標の日本一には届かなかった。

 主砲の筏は「持っている力は全部出し切れたので悔いはない。そんなに差はなかったと思うが、相手が少し上だった」。2回、先頭で「1打席目の初球からいく」という宣言通り、初球の直球を左前に運んでチーム初安打。その後、押し出し死球で先制のホームを踏んだ。

 捕手としても山田を好リード。「相手打者は直球を待っていた」と、最速148キロ狙いであることを見破ると、スライダー、フォークを主体に11奪三振を演出。二塁までの送球タイム1・9秒の強肩で、相手の二盗を3つも刺した。

 主将の3番・中村昂央(こうよう)遊撃手(3年)は、初回に遊ゴロで一塁にヘッドスライディングした際、ベースに左手を強打した。「理学療法士さんには『折れているかもしれない』と言われたが、使ってくれた監督に感謝したい」とプレーを続行。相手の二盗の時には、激痛に耐えて走者に厳しくタッチした。

 昨夏の甲子園で、東海大菅生(西東京)に1―11で初戦敗退してから始まったチーム。中村主将は「個々がバラバラだった。まずミーティングを重ねるところから始めた」と振り返る。発足当初は、話し合いだけで練習が終わる日もあったという。その中で、打ち勝つ野球を望むナインが「最攻挑」の言葉で一つになった。冬場の各自6万スイング達成も、全てはライバルよりも多く点を取るため。この夏、富山大会を全5試合2ケタ得点となる計63安打62点で連覇すると、甲子園でも根尾昂らプロ注目選手7人を擁するスター軍団・大阪桐蔭に大善戦した。

 「高岡商初の(甲子園)2勝は後輩たちの自信になったはず」と中村主将。筏も「来年また甲子園に戻ってきて、日本一を目指してほしい」と1、2年生に思いを託した。堀は涙を流しながら「来年、絶対大阪桐蔭を倒します!」と誓った。(竹内 竜也)

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