済美・山口直「スタミナには自信がある」3戦連続完投414球

スポーツ報知
4回終了後、水分を補給する済美・山口直(左は関谷)

◆第100回全国高校野球選手権記念大会第12日 ▽3回戦 済美3―1高知商(16日・甲子園)

 最後まで冷静だった。2点リードの9回2死一、三塁、一発出ればサヨナラのピンチでも、済美の山口直哉は動じることなく左飛に打ち取った。「四国対決で負けられなかった」。8安打1失点に抑え、愛媛大会から8試合連続完投。マウンドに立ち続ける右腕の121球の熱投が、チームを14年ぶりの夏8強に導いた。

 初回2死三塁の場面では142キロの直球を内角いっぱいに決め、見逃し三振。高校入学後に独学で握りを考えたというスライダーなどの変化球も決まり、7三振を奪った。今大会3試合で計414球を投げた。「疲労は特になかった。スタミナには自信があるので」と涼しい顔を見せた。

 それでも体のケアには気を使う。甲子園入りしてから毎日、宿舎近くの酸素カプセルのある施設に足を運ぶ。延長13回で184球を投げ抜いた12日の星稜戦の翌日はオフで、両親と地元の兵庫・淡路島にある酵素浴の施設でリフレッシュ。短距離ダッシュなど体力強化にも力を入れており、球数が何球になろうとも「試合は必ず9回まで投げる」とマウンドを譲る気はない。

 14年前は福井(現広島)や鵜久森(現ヤクルト)らを擁し、創部3年目ながら春は優勝、夏も準優勝と聖地に衝撃を与えた。「次も先発完投します」と宣言した鉄腕が、ミラクル再現の中心になる。(筒井 琴美)

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