日大三・小倉監督、尾藤さん超え歴代10位春夏36勝

スポーツ報知
8回2死一、二塁、龍谷大平安・田島の遊撃内野安打で二塁走者・松田が本塁を突くがタッチアウト(捕手は日大三・佐藤英)

◆第100回全国高校野球選手権記念大会第13日 ▽3回戦 日大三4―3龍谷大平安(17日・甲子園)

 右肩に感じた激しい痛みが心地よかった。8回2死満塁、1番・金子凌が右肩に死球を受け、決勝点を挙げた。「うれしいけどめっちゃ痛かったです」と笑う1番打者は、バットでも日大三を勢いづけた。

 3回、龍谷大平安のエース・小寺智也からバックスクリーンへ先制ソロ。1回戦の折尾愛真戦(北福岡)では、15安打16得点と爆発した打線の中で6打数1安打1打点。リードオフマンとしての役割を果たせず落ち込んだ夜、チームメートとテレビ朝日系「熱闘甲子園」を見ていた時に「慌てて振りにいってる。ダメだな」と気がついた。その後すぐに下半身を効果的に使う打撃フォームに改造。付きっきりで指導した小倉全由監督(61)は「きょうは打たせてやってくれという気持ちでした」と親心をのぞかせた。

 日大三といえば伝統的に強力打線が代名詞だが、今年は守備も徹底してきた。8回2死一、二塁の場面では、遊撃への内野安打を二塁で受けた木代成(きしろ・じょう)が本塁に送球し、タッチアウト。一瞬の好判断にも「練習でも想定してやっているプレーなので慌てなかった」と木代は普段通りを強調した。

 甲子園春夏通算36勝目を挙げた小倉監督は、尾藤公さん(故人、箕島)を抜き歴代単独10位となった。優勝した2011年以来の8強入り。当時の強打とは違う、攻守に勝負強い野球で勝ち上がってきた。「このチームは負けないんですよね。負けないチームが強い。今まではガンガン打つような、強いチームが強いんだと思ってましたけどね」と話す指揮官は、確かな手応えをつかんでいる。(河井 真理)

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