大阪桐蔭がPLを超えた!甲子園通算71発&根尾・藤原がKK超え2度目アベック弾

スポーツ報知
8回2死、中越えソロを放つ大阪桐蔭・藤原(カメラ・石田 順平)

◆第100回全国高校野球選手権記念大会第14日 ▽準々決勝 大阪桐蔭11―2浦和学院(18日・甲子園)

 史上初の2度目の春夏連覇を狙う大阪桐蔭(北大阪)は、浦和学院(南埼玉)に圧勝し、優勝した14年以来のベスト4へ進出した。今秋ドラフト1位候補の藤原恭大中堅手(3年)が2発を放ち、先発した根尾昂内野手(3年)と今大会2度目のアベック弾もマーク。チームは計4本塁打で春夏通算71本塁打とし、PL学園(大阪)を抜いて歴代1位に躍り出た。

 狙った獲物を一振りで仕留めた。2―0の5回2死。大阪桐蔭の藤原は「ずっと内角ばかり攻められていたので、狙っていた」と相手の守備位置も見て読み切った。内角に来た初球の143キロ直球をフルスイングし、右翼スタンドに放り込んだ。PL学園の清原和博と桑田真澄の「KKコンビ」でさえできなかった、根尾昂との夏2度目の「NF砲」アベック弾。これが大阪桐蔭の夏46号で、PL学園の夏45本塁打を超えた。

 9―2の8回2死ではまたもや初球を粉砕。弾丸ライナーでバックスクリーンに突き刺した。「2本目は完璧。上からしばいたら、あれだけ伸びるんだな」。沖学園(南福岡)との2回戦は左越えにたたき込み、大会を通じて全方向に打ち分けた。

 歴代5位タイの甲子園通算5本塁打で、大阪桐蔭では最多の平田良介(中日)、森友哉(西武)に並んだ。「たまたま。歴代の4番に比べたら非力なので」と謙遜した。今大会は逸材が豊富なこともあり、巨人は岡崎スカウト部長が再び甲子園を訪れ、準々決勝以降を就任以降、初めて視察する熱の入れよう。藤原の底力を目の当たりにし、「技術とパワーがないと打てない」とあらためて称賛した。

 9回には石川瑞貴も左越えソロ。これが大阪桐蔭の春夏通算71号で、PL学園の同70本塁打を上回った。藤原の兄・海成さん(20)は休部中のPL学園最後のメンバーで、恭大も名門に憧れた。「清原さんや桑田さんとか偉大な先輩たちがいたすごいチーム。超えられたことはうれしい」と快挙をかみしめた。

 高岡商との3回戦は4打数無安打2三振。「振る力が落ちていたので、体を鍛えた」。17日の練習はウェートで筋力を戻した結果、4打席連続打点で5打点を挙げた。3回は50メートル走5秒7の快足で一ゴロを内野安打にし、6回には好守も披露。走攻守ですごみを見せつけた。「宿舎のベッドが合わなくて、たまに腰が痛いけど、今日は状態が良かった」と笑わせた。

 幼稚園の頃から女の子にモテモテで「嫌だったみたいで、いつも逃げていた」(母・道子さん)というイケメンは大会前、同校恒例の家族への手紙に「本塁打を打つから。集大成は連覇で終わる」と決意を記した。もう一つの約束も必ず、かなえる。(伊井 亮一)

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