金足農・菅原天、ミスを取り返す今大会3本目の三塁打「死ぬ気で打った」

スポーツ報知
5回1死、反撃の足がかりとなる三塁打を右中間に放った金足農・菅原天

◆第100回全国高校野球選手権記念大会第14日 ▽準々決勝 金足農3x―2近江(18日・甲子園)

 金足農(秋田)が近江(滋賀)に3―2で逆転サヨナラ勝ち。チーム最高成績に並ぶ、1984年以来34年ぶりの4強入りを決めた。1番・二塁の菅原天空(たく、3年)が1点を追う5回、今大会3本目の三塁打を放ち、次打者のスクイズで生還。チームは9回に“2ランスクイズ”を決めるなど、お家芸の小技で劇的勝利を演出した。19日は休養日となり、20日の準決勝で日大三(西東京)と対戦する。

 ミスを取り返したい一心だった。0―1の5回1死。内角の直球を叩いた打球が、飛び込んだ相手右翼手のグラブの先にポトリと落ちてフェンスへ達すると、金足農・菅原天は50メートル走6秒2の俊足で三塁を陥れた。

 「自分のミスで失点したので…。死ぬ気で打ちました」と振り返った菅原天は、「直球しか狙っていなかった。入ったと思ったけど(風で)戻されました」と苦笑い。4回の守備で先頭打者のゴロを取り損ね、先制点につながっただけに、汚名返上の一打だ。

 走者としても最高の働きをみせた。出塁した5回1死三塁、次打者の佐々木大夢(3年)がカウント2ボールからスクイズ失敗。それでも2球連続でスクイズを試みた佐々木夢とベンチからのサインに応え、頭から滑り込んで同点のホームイン。菅原天は「(連続サインは)よくある。フェアゾーンに転がったら必ずセーフになるようスタートしている」と胸を張った。チームとして徹底したバント練習に取り組んでいるが、バントする打者だけでなくナインは走者としての意識も高い。9回無死満塁から成功させた“2ランスクイズ”もその成果だ。

 この日の三塁打で今大会3本目。大会記録の4本にあと1本と迫った。「自分のスイングができていると(安打が)出ている」と話した菅原天は、1番打者らしく「もっと塁に出ないといけない」と反省した。4打数無安打に終わった3回戦(17日)の横浜戦後、宿舎で甲子園の自身の打撃映像を分析。良い形と悪い形を比較して修正し、結果につなげた。

 休養日を挟み、20日の準決勝は日大三と対戦する。1984年の“先輩超え”となる決勝進出へ、菅原天は「(吉田)輝星を助けるため、まず先制点を意識して戦いたい」と意欲。中泉一豊監督(45)が打線のキーマンに掲げるリードオフマンが、日本一へ続く道のりを切り開く。(有吉 広紀)

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