星稜の150キロ右腕・奥川、来秋「ドラ2までに入る」

スポーツ報知
プロ入りも見据え「圧倒的」なエースを目指す星稜・奥川

 第100回全国高校野球選手権(甲子園)に出場した石川代表・星稜の最速150キロ右腕・奥川恭伸(2年)が18日、金沢市の同校グラウンドで「とやま・いしかわ報知」のインタビューに応じた。高校侍ジャパン候補にも選出されているエースは、将来のプロ入りを視野に「常に145キロを超える直球」を目標に掲げ、来秋のドラフト会議を見据えて「1位か2位までには入りたい」と打ち明けた。(取材・構成=勝田 成紀)

 甲子園のマウンドで、進化を証明した。開幕戦・藤蔭(大分)戦では、始球式のマウンド上でOBの松井秀喜氏(44)から激励され、8回に自己最速の150キロをマーク。2回戦・済美(愛媛)戦では右足をつって途中降板したが、4回3安打1失点と好投した。

 「これ以上ない素晴らしい舞台で先発させてもらったことは、今後につながるいい経験。2回戦は自分の中ではいい投球が出来ていたが、最後まで投げきれず悔しい。センバツの時はまだ、か弱さがあった。そこから比べると、投げ方も安定して力強くなったし、まだまだ良くなると思う」

 9月に開催されるU―18アジア選手権(宮崎市)に出場する高校侍ジャパンの候補には、6人もの2年生投手が選出された。今大会では、奥川のほか、創志学園・西純矢、日大三・井上広輝、横浜・及川雅貴が競い合うように快投を見せた。

 「大会期間中も、他の2年生の活躍は刺激になっていた。特に西投手は、真っすぐのスピードだけでなく変化球の精度も高く、2年生には見えないほどレベルが高い。自分も何とか追いつけるよう頑張りたいし、もし代表で一緒になれれば、いろいろ見てみたい」

 2年生の甲子園での150キロ超えは駒大苫小牧・田中将大、花巻東・大谷翔平、済美・安楽智大に続く史上4人目(今大会2回戦で井上も記録)の快挙だった。

 「最速はまだ上がっていくと思うが、自分としては直球の平均球速も上げていきたい。1回戦の平均は143・3キロだった。常に145キロを超えるようになれば、上(プロ)でもやっていける。そこを目指したい」

 目指すエース像は、打者を寄せつけないような「圧倒的」な存在感だ。

 「投手だけで甲子園を勝ち抜くことはできないが、チームを勝たせられるエースになりたい。三振を取りたい場面で腕を振れば真っすぐで全て空振りが取れて、変化球でも絶対にストライクが取れるような、圧倒的な強さを身につけたい」

 入学当初から、将来の目標を「プロ野球選手になること」と明確に掲げる。来秋のドラフト上位指名を見据え、高い意識で日々進化を追究している。

 「自分たちの代はすごい投手がたくさんいるが、ドラフトでは1位か2位までに入りたい思いはある。今後は他チームからも研究もされると思うが、自分ももっと成長したい。ここからが本当の勝負だと思う。今の目標は来春のセンバツ出場。そして今回果たせなかった、全国制覇を目指したい」

 ◆山瀬捕手「あと2、3キロは出た」

 奥川と宇ノ気小4年時からバッテリーを組み、宇ノ気中3年時に全国制覇も果たした女房役の山瀬慎之助(2年)は「甲子園で150キロは出ると思っていた。いつもの状態ならあと2、3キロは出ていたんじゃないか」と証言。「152、3キロが出てスライダーも良くなれば、甲子園に出ているどのチームにも通用すると思う」と手応えを語った。

 奥川の将来性について、林和成監督(43)は「今のところ順調に体も大きくなり、球質も球速も上がっている。そのまま伸びていってもらいたい」と期待。プロ入りについては「高卒からではドラフト1、2位ぐらいじゃないと行かせないと言ってある。長い人生も考えてアドバイスしたい」との考えを述べた。

 ◆奥川 恭伸(おくがわ・やすのぶ)2001年4月16日、石川県かほく市生まれ。17歳。宇ノ気小2年で野球を始め、内野手兼投手。宇ノ気中1年冬から投手に専念し、3年時に全国中学校軟式大会優勝。星稜高では1年春の北信越大会で公式戦初登板。趣味は釣り。将来の夢は「プロ野球選手」。50メートル走は6秒5。遠投は110メートル。183センチ、82キロ。右投右打。家族は両親と兄。

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