大阪桐蔭・西谷監督、単独1位の7度目Vにも「私は体重が増えただけ」

スポーツ報知
史上初となる2度目の春夏連覇を達成し、胴上げされる大阪桐蔭・西谷監督

◆第100回全国高校野球選手権記念大会最終日 ▽決勝 大阪桐蔭13―2金足農(21日・甲子園)

 第100回記念大会で大阪桐蔭(北大阪)が金足農(秋田)を破り、史上初となる2度目の春夏連覇を達成した。15安打13得点で4年ぶり5度目の優勝を飾った。V5は歴代3位タイ、春夏通算8度目のVは歴代2位。甲子園決勝は春夏通じて8戦全勝で、平成最後の夏の王者に輝いた。

 新調された深紅の大優勝旗をつかんだ大阪桐蔭・西谷浩一監督(48)は「先人が積み重ねられた歴史の重みがした。本当に幸せ。夢が実現できた」と選手の手で宙を舞った。甲子園で7度目の優勝。元PL学園監督の中村順司氏(72)=名商大総監督=を超え、歴代トップに立った。「いい選手に恵まれた。私は体重が増えただけ」と、冗談を交えて教え子に感謝した。

 決勝を前にテレビでは金足農の話題ばかり。「やってやろう」と闘争心に火がついた。「最高のチームになったことをうれしく思う。実績で言ったら、(春夏連覇した)6年前を上回った」。現チームは公式戦で39勝1敗。秋の国体で優勝すれば、大阪府大会、近畿大会など1998年横浜の9冠に次ぐ8冠になる。

 全国から優秀な選手を集めるだけではない。選手目線で指導し、レギュラー以外の選手への気配りを欠かさない。約20年コンビを組んできた有友茂史部長(53)は「一緒に粘り強く練習をやって、花を咲かせるところまでやる。しつこい」と全体を底上げする熱心さを冗談交じりにたたえる。

 2013年からは「いろんな角度から野球を知ろう」とデータを取り入れ始め、昨年から本格的に着手した。今大会は石田寿也コーチ(39)と記録員の小谷優宇(3年)が深夜3~4時まで相手を分析した。投手でもある小谷はミーティングで司会を務め、「(自分が)先発でいってもいい。抑えられる気しかしない」と自信満々に提供。最強軍団の強さを支えた。

 指導者4人は全員、乙女座で「決勝当日の占いは気にしている」と石田コーチ。ある星座占いでこの日の運勢はワーストだったが、そんなこともおかまいなしの強さ。「春3連覇という話ができるように頑張ります」と西谷監督。史上初の春3連覇と3季連続優勝に向けて、22日から動き出す。(伊井 亮一)

 ★大阪桐蔭V 記録アラカルト

 ◇決勝全勝 甲子園決勝は91年夏から8戦全勝。8連勝は全国最多を更新。

 ◇春夏8度目V 広島商、PL学園、松山商を抜き、単独2位に浮上。最多は中京大中京の11度。また、夏5度目の優勝はPL学園を抜き、松山商と並ぶ3位タイに浮上。最多は中京大中京の7度で、2位は広島商の6度。

 ◇甲子園連勝 春の5連勝と合わせ、甲子園11連勝。12年春夏と13年春の大阪桐蔭以来、延べ12チーム目。最多はPL学園が81年春から82年春、83年夏、84年春にかけて記録した20連勝。

 ◇甲子園通算勝利 大阪桐蔭が春夏通算63勝目(12敗)。広島商を抜き、単独10位に浮上。1位は中京大中京の133勝。

 ◇西谷監督は春夏7度目V PL学園・中村順司元監督を抜き、単独1位に浮上。夏4度の優勝もPL学園・中村元監督を抜き、単独1位に浮上。また、夏通算32勝目(4敗)は、明徳義塾・馬淵史郎監督を抜き、単独2位に浮上。最多は智弁和歌山・高嶋仁監督の38勝。

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