金足農、秋田県勢103年ぶりの準V キャッチフレーズ「雑草軍団」はこうやって生まれた

スポーツ報知
84年8月21日付本紙

◆第100回全国高校野球選手権記念大会最終日 ▽決勝 大阪桐蔭13―2金足農(21日・甲子園)

 金足農の150キロ右腕・吉田輝星(こうせい、3年)は、2本塁打を含む5回を12安打12失点(自責11)。今夏初めて試合途中でマウンドを降り、東北勢初優勝を逃した。それでも歴代6位の大会通算62奪三振をマーク。県立の農業高が成し遂げた秋田勢103年ぶりの準優勝に、スタンドからは大きな拍手が送られた。

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 金足農のキャッチフレーズ「雑草軍団」がスポーツ新聞の見出しに初めて登場したのは、スポーツ報知だった。1984年8月21日付2面で、準決勝でPL学園に逆転負けした試合の記事。この「雑草軍団」を紙面に登場させたのは当時のアマ野球担当キャップの中山伯男記者だ。

 中山元記者によると「当時の嶋崎(久美)監督が『ウチは室内練習場もないし、グラウンドも整備されていない。劣悪な環境の中でここまで勝ち上がってきた“雑草軍団”ですよ』と言ったのを聞いて、記事にしたんですよ」と振り返る。今回の準優勝については「勝たせたかったね。でも、雑草軍団だった当時の選手から比べると今の金足ナインは、都会のチームに全く引けを取らない“スマート軍団”。洗練されたプレーはたいしたものだ」と健闘をたたえていた。

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