智弁和歌山・高嶋監督勇退一問一答〈3〉タイブレーク残念 延長18回再試合も魅力
甲子園歴代最多68勝を誇る智弁和歌山の高嶋仁監督(72)が25日、前日24日付で勇退したことを発表した。後任は、プロ野球の巨人、阪神などで活躍した、教え子の中谷仁コーチ(39)が務める。高嶋監督は名誉監督として智弁学園(奈良)も指導する。
以下は会見の一問一答(続き)
―高校野球で変えていかないといけないところは
「勝つことを考えると『エース、エース、エース』なんですよね。エースでいって負けると誰も文句を言わない。3、4番手でいって負けると批判される。3、4番手でいっても文句が言えないような状態にならんかな、と思っとる。比較的、私はエースにこだわっていない。2、3番手でも出してあかんかったら代える。球数制限とかいろんなことが出てくるでしょうけど。『将来ある選手を壊さないように』と言われていますけど、世間を納得させる収め方ができたらいいなと思う」
―変わらないでほしいところは
「タイブレークになったのが残念でね。(以前は)延長18回で再試合。これが一つの魅力やと思う。タイブレークが定着するとまた、それなりのやつになるんでしょうけど、変わらんでほしかったなと思う。高校野球は一生懸命やる。夏は3年生にとって最後なので必死になってやる。それが高校野球の魅力だと思う」
―歴代最多勝について
「名前は出しませんけど、彼(大阪桐蔭の西谷監督)が出てくるとすぐに5、6つぐらい勝つんで、あと何回かで追い越される。記録って破られるためにあるって聞いたことがありますから、時間の問題でしょうけどね。これ以上、(自身の勝利数が)上がることがないので、中谷監督が勝ったのを足してくれたらいんですけど、それはないんで(笑い)」
―意識された監督は
「意識というより、目標にしたのは土佐高校の籠尾良雄監督。あの監督を目指してやってきた。今は(大垣日大の74歳の)阪口慶三監督でしょう。しつこいですよ(笑い)」
―最後のノックはいつ
「投手には軽くは常にやっている。グラウンドでは7月に入ったぐらい」 ―名誉監督になってからノックは
「握るかな、と思います。ノックバットはありますから。折れてもまだ家に2、3本あります」
―選手にはいつ伝えた
「昨日です。『交代する』と。(来春)センバツを目指して頑張ってますから。中谷新監督を軸にして『もう1回甲子園に出ろよ』とハッパをかける意味で」
―選手の反応は
「ある程度、予想はしておったような感じだった」
―名誉監督としてどのようにかかわっていく
「相談されたりとか、『これは…』という時はアドバイスをするかなと思っている。名誉監督があまり表に出ると監督が死んでしまう」