智弁和歌山・高嶋監督勇退一問一答〈4〉中谷新監督に望むものは・・・

スポーツ報知
1997年8月21日、夏の甲子園優勝を果たし、ジュースで乾杯する高嶋監督と智弁和歌山ナイン

 甲子園歴代最多68勝を誇る智弁和歌山の高嶋仁監督(72)が25日、前日24日付で勇退したことを発表した。後任は、プロ野球の巨人、阪神などで活躍した、教え子の中谷仁コーチ(39)が務める。高嶋監督は名誉監督として智弁学園(奈良)も指導する。

 以下は会見の一問一答(続き)

 ―中谷監督に期待することは

 「(昨年4月に)中谷監督が来てから3季連続で(甲子園に)出ている。バッテリー中心にしっかり指導してくれていますので、そのおかげで出られた。それは続けていってほしい。考え方は一発勝負。140何試合の1試合じゃない。今やっとる試合を何としても勝つ、というふうにしてほしい。(勝負に)徹しないとなかなか勝ちが来ない。夏の甲子園もそうですけど、後半になってくると、どうしても3年生は3年間やってきたんやから、どっかで使ってやりたいという気持ちが働く。3年生を全員出してしまう。悪い癖なのか、いい癖なのか。中谷監督は勝負に徹してほしいなと思いますね」

 ―家族には

 「家内には、早くから「やめ~、やめ~」と言われていた。『まだやんの?』と。(勇退が)決まったら『ああ、よかった』と。家に帰ったら『あ~、しんど~』とか本音が出るじゃないですか」

 ―2、3年は勇退はないと言っていたが

 「もう決まってましたけど『100回大会でやめるで』と言ったら、みんな騒ぐでしょ(笑い)」

 ―ノックへのこだわりは

 「試合でのノックというのはありましたけど。チームづくりは守りからということで、守りから入って徹底的に守備を鍛えて試合に入っていった経験があるんですが、甲子園で勝つと守りで勝ったという記事は一切、見たことがありません。本塁打が3本出たとか4本出たとか、打つ方しか書いてくれない。なぜ打撃の方が目立ったかというと、投手に恵まれていないから。投手に恵まれると3、4点取れば勝つ。うちは3、4点の点数では勝てない。7、8点取られるんで、どうしても10点以上取らないと勝てない。勝ったら12―10とかそういう試合になる。そうすると『猛打復活』とか書いてくれる。こだわってきたけど、守りは一度も書いてもらったことがない」

野球

×