【U18】打倒・韓国に3本柱投入 吉田輝星&柿木&根尾…伝説の10・8長嶋流再現だ

スポーツ報知
韓国戦登板のため、入念にストレッチを行う吉田(中央=カメラ・岩下 翔太)

◆第12回U18アジア選手権大会1次ラウンドA組 日本15―0スリランカ=6回コールド=(4日・サンマリン宮崎)

 日本代表のエースで、今秋ドラフト1位候補の150キロ右腕・吉田輝星(3年)がいよいよ侍デビューだ。5日の韓国戦での先発が有力視される輝星は最終調整を行い、ギア全開の真っ向勝負を予告。チームは1次ラウンド(R)2戦目のスリランカ戦で15―0と6回コールド勝ちし、2連勝でスーパーR進出を決めた。柿木蓮、根尾昂両投手(ともに3年)もスタンバイOKで、2連勝同士が1位突破を懸けて激突するヤマ場に臨む。

 はやる気持ちを抑えるかのように、自然体を貫いた。スリランカに大勝し、スーパーR進出が決まった試合後。韓国戦に向けた心境を聞かれた輝星は、表情を変えずに口を開いた。

 「早く投げたいと思ってました。その気持ちのおかげでしっかり調整ができて、すごくいいボールがいってます。いつでもいける準備はできてます」

 心の準備もできている。この日は、前日(3日)の香港戦に続いて一塁コーチャーを志願した。「日本のお客さんが多いので、いいプレーをすればこっちに流れが来る。明日は1点を争う勝負になると思うので、雰囲気をつくっていくことも大事かなと思います」とイメージをふくらませた。

 投球の準備も万端だ。試合中には、ブルペンで甲子園後最多となる約50球のピッチングを行った。「相手は韓国だし、きっちりいかないといけないので少し多めに投げました。常にトップギアじゃないと、韓国や台湾は抑えられない」。自慢の直球を生かすためのカーブの感触も確認した。

 抑えるイメージもできあがった。韓国ナインについては「開会式で会った時、体がデカくて、甘いところに行ったら持って行かれると思った」と警戒。一方で「日本のシャープなスイングとは違って、下から来る(アッパースイング)ので、高めの伸びる球が空振りを取りやすいと思う」。ホップするような全力投球で、空を切らせるつもりだ。

 直接対決の勝敗をスーパーRに持ち越すため、今後を占う大一番となる。この日は、根尾が4回の守備から交代し、ブルペンで投球練習を行った。今大会登板のない柿木も出番を待ちわびている。史上初の2度目の春夏連覇を達成した大阪桐蔭が誇る二枚看板に、輝星。この3本柱を投入して宿敵を下せば、長嶋巨人が槙原、斎藤、桑田の継投でシーズン最終戦に優勝を決めた「10・8」の再現のようだ。

 「まだ役割は言われてないけど、リリーフでも先発でもどこでもいけます。全勝で史上初の連覇を達成したいです」と輝星。チームの力を結集して、1次R最大のヤマ場を勝ち抜く。(片岡 泰彦)

 ◆10・8決戦 94年10月8日、セ・リーグ同率首位の巨人と中日は最終戦の直接対決で勝った方が優勝という史上初の展開となり、巨人・長嶋監督は「国民的行事」と表現した。先発の槙原は2回持たなかったが斎藤、桑田と合わせて先発ローテ「3本柱」を投入して3失点に抑えた。打線は2―2で迎えた3回、落合が勝ち越しの右前打。4回に村田真、コトーのアーチ、5回にも松井のソロと一発攻勢で加点し、4年ぶり36度目の優勝を決めた。

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