北照、全道切符!桃枝、13K完封&伊藤は“最弱”返上打

スポーツ報知
4安打完封した北照・桃枝

◆秋季全道高校野球小樽地区予選 ▽代表決定戦 北照4―0小樽潮陵(15日・小樽桜ケ丘)

 小樽地区で代表決定戦が行われ、今夏の甲子園に出場した北照は小樽潮陵を4―0で下し、2年連続39度目の全道大会出場を決めた。「9番・遊撃」で先発した伊藤陸主将が5回に先制の中前適時打。11安打4得点の打線を先導すれば、先発の右サイド右腕・桃枝(もものえ)丈(ともに2年)が4安打完封13奪三振と好投した。現2年生は不祥事があった翌春に入部した14人。“最弱”と呼ばれてきたナインが「一体感」をテーマに逆境をはねのけた。

 名門の意地だった。0―0で迎えた5回1死三塁。北照の9番・伊藤主将は、自らを奮い立たせて打席に向かった。「何が何でも絶対に打つ」。振り抜いた打球は中堅へ。均衡を破る中前適時打で先制すれば、先発のサイド右腕・桃枝は4安打完封13奪三振と、ワンサイドゲームに持ち込んだ。

 下馬評を覆した。甲子園に出場したことで、新チームのスタートは遅く、ベンチ入りした下級生は出場のなかった伊藤のみ。また、16年夏に同校で校則違反などの不祥事があったことで、翌春に入学した現2年生は、14人しか集まらなかった。上林弘樹監督(39)は「最初はどうなるかと思った」と振り返る。

 新チーム初戦の旭川大高との練習試合は5―13で完敗。周囲からは“最弱”と呼ばれたが、伊藤は「素直に受け止めてきた」という。「弱い」ことを認めたうえで、チーム内の「強み」を再確認。4人1組のキャッチボールでは、下級生を交ぜて行うなど「一体感」を高めてきたことで結果はついてきた。

 先発メンバーには2年生7人が名を連ねる。進路を決める時期に不祥事があったにもかかわらず、強い覚悟を持って入学してきた。「このユニホームを着て、甲子園に出たかった。必ずセンバツに出場して、1勝がしたい」と伊藤。逆境をはねのけたナインが、春夏計10度目となる聖地を目指す。(清藤 駿太)

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