七尾東雲「夏休みに練習を頑張って良かった」9回0―5から奇跡サヨナラ

スポーツ報知
9回の猛反撃に盛り上がる七尾東雲ベンチ

◆秋季高校野球石川県大会 ▽2回戦 七尾東雲6x―5金沢工(15日・弁慶)

 石川は2回戦5試合が行われ、七尾東雲が9回に5点差をひっくり返し、6―5で金沢工に逆転サヨナラ勝ちした。同点とした2死二、三塁から、代打の谷口陽治内野手(2年)が左前にサヨナラ打を放った。雨のため、石川の2回戦1試合と富山の1回戦4試合が16日に延期となった。

 最終回の猛攻で、七尾東雲が大逆転劇を演じた。0―5から5点を追い上げた9回2死、代打逆転サヨナラ打を放った七尾東雲の谷口は、一塁を駆け抜けるとグラウンドに突っ伏して号泣した。「新チームになってヒットを打てていなかった。夏休みに練習を頑張って良かった…」。公式戦出場は、昨秋の代打出場以来2度目。1年前は三ゴロに倒れたが、公式戦初安打でヒーローとなった喜びをかみ締めた。

 宿敵・金沢工に“サヨナラ返し”でリベンジを果たした。春は1回戦で9回2死から同点に追いつかれ、延長11回、5―6でサヨナラ負けした。新チーム結成直後の工業高校大会(8月)は、3―3で引き分け。くしくも春と真逆のスコアでサヨナラ勝ちを決めた主将の道下翔太捕手(2年)は「悔しい思いをしたが、3度目の正直で勝つことができた」とうなずいた。

 夏大会後に就任したばかりの深見大輔監督(42)は「こんなことが起きるんですね。ひっくり返すとは思っていなかった」と打ち明けた。0―5で迎えた9回は、無死満塁から死球、2本の適時打、敵失で1点差とすると、暴投で同点に追いついた。大逆転への「最後の切り札」が、谷口だった。指揮官は「代打でどこで使うかずっと準備していた。やんちゃな子が多い中でも努力する子なので、うれしくて…」と目を細めた。

 道下主将は「9回も諦めず『絶対に勝つぞ』とベンチで話していた。新チームの練習試合は18試合で1勝しかできなかった。夏休みに練習してきて、今までの苦しさがすべて出た」と相好を崩した。チームが目標に掲げる「ベスト8」まで、あと1勝だ。(勝田 成紀)

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