大船渡の157キロ右腕・佐々木朗希 盛岡大付から10Kも強打に屈す「すごく情けない」

スポーツ報知
盛岡大付戦で力投する大船渡・佐々木

◆秋季高校野球岩手県大会 ▽準決勝 盛岡大付7―5大船渡(23日・花巻)

 来春センバツの重要な参考資料になる高校野球秋季大会が各地で熱戦を繰り広げ、来秋ドラフト1位候補の剛腕が力投した。岩手では、大船渡の157キロ右腕・佐々木朗希(ろうき・2年)が準決勝で盛岡大付と対戦したが、10安打を浴びるなど5―7で惜敗。同校は東北大会出場を懸け、24日の3位決定戦に臨む。

 大粒の涙があふれ出た。2点を追う9回2死一、二塁。4番の佐々木は、あと少しで逆転サヨナラ弾という特大ファウルを左翼ポール際に放ったが、最後はバットが空を切った。投げても10安打7失点。「味方が頑張って点を取ってくれたのに、自分のミスや力不足で負けさせてしまった。すごく情けない」と自らを責めた。

 初回からつかまった。1死二塁から3番打者にスライダーを右方向に運ばれて先取点を許すと、5番打者には真ん中低め151キロ直球を引っ張られ、右翼線に適時二塁打。「内角を多く使ったんですけど、外野に運ばれてしまった。空振りも少なく、バッターの力を感じました」。日頃から160キロの打撃マシンを打ち込む盛岡大付。12年夏の岩手県大会決勝では花巻東・大谷翔平を沈め、甲子園行きを阻んだ伝統の強打を前に、佐々木も失点を重ねた。

 それでも「真っすぐで抑えたい気持ちが強かった」とフォークの封印は解かなかった。19日の準々決勝から中3日登板で右肩に張りが残っていたが、最速は154キロを計測。10三振はすべて直球で奪った。

 32年ぶりの秋季東北大会出場をかけて24日の3位決定戦で専大北上と戦う。166球を投げており、先発登板は微妙な状況。「任された役割で、チームのために精いっぱい頑張りたい」と話すにとどめた。(片岡 泰彦)

 ◆佐々木 朗希(ささき・ろうき)2001年11月3日、岩手・陸前高田市生まれ。16歳。小3で野球を始める。11年の東日本大震災で被災し、大船渡に移住。高校では1年夏からベンチ入りし、今秋から背番号1。実績がほぼないにもかかわらず、今年の高校日本代表候補にも選ばれた。16日の1回戦では2年生史上最速タイとされる157キロをマーク。189センチ、81キロ。右投右打。家族は母と兄、弟。

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