大阪桐蔭、8冠に王手 根尾が特大弾&150キロ

スポーツ報知
下関国際戦に先発し、5回無失点の大阪桐蔭・根尾(カメラ・谷口 健二)

◆福井国体 高校野球硬式 ▽1回戦 大阪桐蔭2―0下関国際(1日・福井県営)

 史上初となる2度目の春夏連覇を達成した大阪桐蔭が下関国際(山口)に完封勝ちし、8冠に王手をかけた。投打で今秋ドラフト1位候補の根尾昂内野手(3年)が2回に特大の決勝2ラン。投げても先発で5回を3安打無失点に抑え、自己最速タイの150キロをマークした。今夏の甲子園準決勝で大阪桐蔭に敗れた済美(愛媛)は高岡商(富山)にサヨナラ勝ちした。両校は2回戦で激突する。

 高校通算32号は、根尾史上最大級の特大弾だった。2回無死一塁、大阪桐蔭の二刀流が下関国際・鶴田のツーシームを粉砕した。「甘い球だった。うまく芯に当たった」と、中堅左へ推定135メートル弾をかっ飛ばした。西谷浩一監督(49)は「風も(右翼から左翼方向に)きつかった。左打者は本塁打がないと思っていた。逆方向に根尾らしい、いい本塁打だった」と称賛した。

 投げては1、4回に自己最速タイの150キロをマーク。1試合に2度は初めてだ。「圧のある球というか、勢いでいった投球。50点もいっていない」と自己採点は厳しかったが、140キロ台後半を連発し、5回を3安打無失点に抑えた。

 ドラフト会議を25日に控え、阪神などが視察した。すでに1位指名の方針を固めている中日の中田アマスカウトディレクターは、交渉権を獲得すればと前置きした上で「投手をやりたいなら、やらせてあげたい。十分、投手でもやっていける」と、プロでも二刀流を希望している“恋人”にほれ直していた。

 準決勝以降が実施されないため、大阪桐蔭にとっては国体初の単独優勝は消滅したが、あと1勝で春夏の甲子園大会や昨秋と今春の大阪府大会と近畿大会、今夏の北大阪大会を含めて8冠になる。松坂大輔(現中日)を擁した1998年横浜の9冠に次ぐタイトル数だ。「1チームで優勝したい気持ちがあったけど、このチームでできる最後の大会なので必ず優勝したい」と根尾。この世代は公式戦40勝(1敗)に到達。2018年は無敗のまま、フィナーレを迎える。(伊井 亮一)

 ◆根尾を巡るドラフトへの各球団の動き 1位指名の方針を固めているのは中日。地元・岐阜出身のスターを競合覚悟で指名する。絞り込んでいない他球団もほとんどが1位候補の一人としてリストアップ。即戦力投手重視だった阪神も根尾を再評価する動きがある。巨人は金足農・吉田輝星投手の動向を注視している。

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