星稜“センバツ当確”王手 150キロ右腕・奥川が初回先頭から10連続K

スポーツ報知
10者連続三振を奪うなど5回13奪三振の快投を見せた星稜・奥川(カメラ・勝田 成紀)

◆秋季北信越大会 準々決勝 星稜11―0松本第一=5回コールド=(14日、新潟・三条パール金属スタジアム)

 準々決勝4試合が行われ、星稜(石川1位)が松本第一(長野2位)を11―0の5回コールドで下し、来春のセンバツ出場“当確”へ王手をかけた。U18日本代表の最速150キロ右腕・奥川恭伸(2年)が初回先頭打者から10者連続三振を奪うなど、5回13奪三振、1安打無失点の圧巻の投球を見せた。星稜は20日の準決勝(ハードオフエコスタジアム新潟)で、東海大諏訪(長野3位)と対戦する。

 もはや異次元のピッチングだった。奥川が右腕を振るたび、相手打線のバットは空を切った。試合開始初球はボールだったが、直球を中心に攻め続けた奥川は「1球目を投げた時に、テイクバックで力を抜く感覚がつかめた」と開眼。先頭打者を空振り三振に仕留めると「どんどん回を追うごとに、指先がボールにかかる瞬間の力の伝え方も良くなった」と圧巻の10者連続三振。松本第一は11人目の打者が投前セーフティーバントを試みて、連続三振を回避するのがやっとだった。

 4回2死で中前打を許したが、被安打はこの1本だけ。5回も2者連続空振り三振で締めくくり、終わってみれば打者16人から13奪三振。「三振を狙ってしまう気持ちを抑えて、コントロールを意識した。ヒットは打たれたくなかったので悔しかったが、すぐ切り替えた」。計65球を投げ、21球が空振り、19球が見逃しストライクだった。14球がボール。バットに当たったのは11球で、前に打球が飛んだのはバント、中前打、一ゴロの3度だけだった。

 宇ノ気小4年時からバッテリーを組む山瀬慎之助捕手(2年)は「真っすぐのキレがよく、投げミスが少なかった。あそこまで三振が続くとは…」と振り返った。今大会初登板へ向け準備万端だった背番号10の寺沢孝多(2年)も「10者連続三振の時点で、今日は出番がないと思った」と笑うしかなかった。

 センバツ“当確”に王手をかけ、「準決勝、決勝も全部投げるつもりで頑張りたい」と奥川。現在は学校のテスト期間中で、15日も英語と世界史のテストを受ける。マウンド上では笑顔の絶えないエースも「世界史が苦手。帰りのバスで勉強しないと…。試合よりテストの方が緊張します」と不安げに打ち明けた。この日の投球の自己採点は「70点ぐらい」。“快投”の勢いで、テストの“解答”も導き出せるか?(勝田 成紀)

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