履正社が5年ぶりV 植木2失点完投で宿敵・大阪桐蔭の連敗4でストップ

スポーツ報知
5年ぶりの優勝を果たした履正社ナインは、完投した植木(右から2人目)のもとに駆け寄る(カメラ・豊田 秀一)

◆秋季大阪府大会 ▽決勝 履正社5―2大阪桐蔭(14日・大阪シティ信用金庫スタジアム)

 大阪府大会決勝で履正社が大阪桐蔭を破り、5年ぶり5度目の優勝を飾った。小深田(こぶかた)大地三塁手(1年)が先制打と2ランの2安打3打点と活躍し、植木佑斗(2年)が6安打2失点で完投。大阪桐蔭戦の連敗を4で止めた。大阪桐蔭は公式戦で今年初黒星を喫し、前チームから続いていた連勝が36でストップ。2016年秋季大会から続いていた府内での公式戦連勝も44で止まり、浪商(現・大体大浪商)とPL学園を超える大阪最多6大会連続優勝はならなかった。これで20日に開幕する近畿大会(ほっと神戸)の出場16校が出そろった。

 最後の打者を三ゴロ併殺に打ち取ると、履正社の植木はバンザイして、チームメートと抱き合った。「桐蔭を倒すことを目標に新チームから頑張ってきた。本当に勝ってよかった」。最速136キロの直球で力勝負をするのではなく、カーブとチェンジアップで緩急をつけた。「1人で3回ずつ投げてくれと思っていた」。継投を考えていた岡田龍生監督(57)の期待を上回る2失点完投だった。

 初回に鮮やかな攻撃を仕掛けた。1死三塁から小深田の左前に落ちる適時打で先制すると、なおも2死二、三塁で野口海音(みおん)捕手(2年)が左前に2点適時打。3回は小深田が右越えに高校通算8号の特大2ランを放り込んだ。

 今夏の北大阪大会準決勝は9回2死まで4―3とリードしていたが、無走者から3点を奪われて逆転負けした。小深田も野口も先発して屈辱を味わった。「その悔しさの経験を生かして勝ちたかった」と小深田。その試合で今秋ドラフト1位候補の大阪桐蔭・根尾昂内野手(3年)から2安打をマークした1年生が、2安打3打点で5年ぶりのVに貢献した。

 OBでオリックスのT―岡田が観戦したなか、大阪桐蔭戦の連敗を4で止めた。今大会は雨や台風で順延が相次ぎ、履正社は6日から8日までの3連戦を含め、9日間で6試合という過密日程を乗り越えた。

 来春センバツ(3月23日から12日間・甲子園)の出場選考で重要な参考資料となる近畿大会は20日に開幕する。履正社は昨年、1回戦で智弁和歌山に敗れて、選ばれなかった。植木は「センバツに出るためにも、一つ一つ全力で勝っていきたい」と、2年ぶりの出場を見据えた。(伊井 亮一)

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