山梨学院、強豪・中央学院退け5年ぶりセンバツへ王手

スポーツ報知
サイド右腕の佐藤は公式戦初先発ながら6回1失点の快投

◆高校野球秋季関東大会 ▽1回戦 山梨学院7―2中央学院(20日・山日YBS球場)

 開幕し、山梨学院(山梨2位)が、中央学院(千葉1位)に7―2と快勝した。初回2死二塁から4番・野村健太(2年)が左中間へ先制2ランを放つと、3―1の6回2死、小吹悠人(1年)が公式戦1号となる左越え弾。8回には先頭の野村から4連続を含む5安打でダメ押しの3点を奪い、2季連続甲子園出場の強豪を退けた。投げては公式戦初先発のサイド右腕・佐藤裕士(ひろと、2年)が6回1失点と粘投。勝てば5年ぶり3度目のセンバツ出場が近づく22日の準々決勝では、前橋育英(群馬1位)と対戦する。

 「山梨学院の底力を見せられたと思う」。先制弾でチームを勢いづけた野村が、胸を張った。12安打を浴びせ、昨年の覇者・中央学院相手に大きな勝利をあげた。

 吉田洸二監督(49)の采配がズバリ的中した。試合直前に背番号10・佐藤の先発を決断。公式戦先発経験がない不安より、相手打線の弱点を的確に突く、チーム一の制球力に賭けた。大舞台を任された佐藤は「やってやるぞ、と意気に感じた」。スライダーとツーシームをゾーンを広く使って左右に投げ分け、6回6安打1失点。7回からはエース左腕の相沢が一塁からマウンドに回り、3回4安打1失点で締めた。

 打線も理想的に得点を重ねた。初回2死二塁から野村が先制2ラン。3―1の6回には、秋季県大会10打数0安打と絶不調だった小吹が左翼へ本塁打。8回には野村からの4連打にスクイズを絡めた3得点と持ち味を発揮した。大差で勝利した吉田監督は「とてつもなく大きな意味ある一発」と小吹の一打を絶賛したものの「意外過ぎて見ていなかった。謝らないと」と思いがけない“告白”。小吹は「次も打てるようにしたい」と指揮官が見守る中での打ち直しを宣言した。

 この1勝で、「内弁慶」から卒業だ。3年連続で夏の甲子園出場を果たしたが、県外校相手の公式戦では2年前の秋季関東大会準々決勝(2●5、対東海大市原望洋)以降甲子園を含み6連敗。千葉1位校を破り、5年ぶりのセンバツ切符へ弾みをつけた。

 来春のセンバツ(3月23日から12日間・甲子園)出場校を決めるための重要な参考資料となる今大会。勝てば出場が現実的となる4強をかけ、群馬王者の前橋育英と戦う。16年夏の甲子園初戦(5●12)で敗れた因縁の相手との対戦に、主砲の野村は「いい投手なので、振り負けないような打撃をしたい。自分たち主軸だけでなく1番から9番までの全員野球で、つないで勝ちたい」。雪辱の勝利で聖地に名乗りをあげる。(西村 國継)

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