浜松開誠館・宮下「ドキドキしている」 23日には中日スカウトが最後の視察

スポーツ報知
キャッチボールで汗を流す浜松開誠館・宮下

 プロ野球ドラフト会議が25日、東京都内で行われる。浜松開誠館高・宮下凌捕手(3年)は24日、浜松開誠館高の総合グラウンドで練習。二塁送球平均1・8秒、遠投110メートルの強肩が武器の宮下のもとには中日から調査書が届いており、緊張感をみなぎらせながら「運命の日」を待つ。

 ドラフトを翌日に控え、宮下の表情には普段にはない緊張感が漂っていた。「やっとこの日が来たかって感じで、ドキドキしている」。この日は軽くキャッチボールで汗を流した後、テレビの取材も受けた。

 23日には、調査書が届いている中日のスカウトが最後の視察に訪れた。元中日外野手の佐野心監督(51)は「肩が強くて伸びしろもある。情熱を持ってやればプロでもチャンスをつかめる」と、二塁送球平均1・8秒と既にプロ水準にある強肩を評価した。

 様々な困難を乗り越えてきた。宮下が中1の時、母・早苗さんが肝臓の病気のため亡くなった。自身も中3夏に右前鋸筋(ぜんきょきん)断裂で全治1年の大けが。練習をサボる時期もあったという。

 それでも、佐野監督はじめ、中村紀洋非常勤コーチら多くのプロ経験者が指導する浜松開誠館に進学し、1年秋にはエースに成長。練習試合で大阪桐蔭に8回1失点、故郷の福井工大福井を相手に1失点完投と結果を残した。しかし、同年秋の公式戦で中学時のけがが再発し、投手を断念。肩の強さを生かして捕手に転向した。「投手のままだったら、高校で終わっていたと思う」。これが転機となった。

 試合で次々と盗塁を刺す姿が、スカウトの目にとまり、自身もプロ入りを意識するようになった。「指名されたら、福井に帰って母に報告したい」。午後5時から始まる運命の日当日は、慣れ親しんだグラウンドで名前が呼ばれるのを待つ。(山中 優輝)

 ◆宮下 凌(みやした・りょう)2000年4月10日、福井・福井市生まれ。18歳。社南小4年時、社南イーグルスでソフトボールを始める。中学時代は福井工大福井中の硬式野球部・福井中学ボーイズでプレー。浜松開誠館では1年秋まで投手、2年春から捕手。高校通算16本塁打。176センチ、76キロ。右投右打。家族は父と姉。血液型B。

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