山梨学院、春日部共栄に逆転負けで25年ぶり決勝進出逃す センバツへ収穫と課題

スポーツ報知
8回2死一、二塁で右前への飛球に宮崎(右)はスライディングキャッチを試みたが捕球できず、同点とされた

◆高校野球 秋季関東大会第5日 ▽準決勝 春日部共栄2―1山梨学院(27日・山日YBS球場)

 山梨学院(山梨2位)が、春日部共栄(埼玉1位)に1―2で逆転負けを喫し、同校25年ぶりの決勝進出を逃した。0―0の6回、1死一、二塁から野村健太左翼手(2年)の打球が敵遊失を誘って1点を先制。しかし8回に2死一、二塁から連続適時打を許して逆転された。5年ぶり3度目となる来春の第91回センバツ高校野球大会(3月23日から12日間・甲子園)出場がすでに決定的となっている山梨学院。聖地に臨む前に大きな収穫と課題を得た。

 1―0で迎えた8回2死一、二塁。右前へ飛んだ打球を深めに守っていた宮崎一樹右翼手(2年)は猛然と追い、スライディングキャッチを試みた。だが、わずかに届かず、1―1の同点とされた。なお一、三塁。5人目の左腕・駒井祐亮(2年)を投入したが、中前に連続適時打を許した。決勝進出まであとアウト・カウント4つに迫りながら、痛恨の逆転負けを喫した。

 「あれはしょうがない」と宮崎をかばった吉田洸二監督(49)。続けて「全国クラスの投手。いい練習になった」と春日部共栄の右腕・村田賢一(2年)に賛辞を送った。140キロ台の直球に、スライダーとスプリッターを低めに集められ、凡打の山を築かされた。

 センバツへの糧となる一敗となった。準々決勝まで2戦連発中だった主砲の野村は6回に敵失を誘う遊ゴロで先制点を奪ったものの4打数無安打。「変化球を低めに集められると打ち切れない部分があった。自分で決めなきゃ、と力んでしまった」と肩を落とした。

 大会前には“負けられない“から“試合を楽しむ”ことに意識を改革したことを再確認。打線が活気を取り戻し中央学院(千葉1位)と前橋育英(群馬1位)を連破した。野村は「楽しくやることを思い出した」と、収穫を強調した一方で「大舞台ほど楽しくやるのは難しい。でも競った試合こそ楽しんでやることが、チームとしての課題」と、その難しさも痛感していた。

 直球とチェンジアップを制球良く投じて全3試合で登板した左腕の相沢利俊主将(2年)は「個々の力があるわけじゃない。いつまでも僕たちはチャレンジャー。投げ込み、走り込み、技術、メンタルが成長しないと」。同校は冬のハードトレで大きく成長して来た。センバツに向け吉田監督は「今回メンバー外の選手が出てくるかも」と新戦力の台頭にも期待をかけていた。(西村 國継)

野球

×