“オール道産子”札幌大谷、初出場でV 道勢では駒苫以来13年ぶり

2018年11月14日5時55分  スポーツ報知

 ◆明治神宮野球大会第5日 ▽高校の部・決勝 札幌大谷2―1星稜(13日、神宮)

 ついに、全国の頂点に立った―。高校の部決勝で、北海道代表の札幌大谷が星稜(北信越・石川)に2―1の逆転勝ち。創部10年目での初出場初優勝を果たした。道勢ではヤンキース・田中将大投手(30)を擁して初優勝した2005年の駒大苫小牧以来、13年ぶりの栄冠だ。先発したエース右腕・西原健太(2年)が、決勝の大舞台で星稜打線をわずか1安打に抑えて完投。札幌大谷中時代に赤平市から約2時間かけて通学した背番号1は、支えてくれた両親に約束した「全国制覇」の夢を、まずは神宮大会でかなえてみせた。

 神宮の空に、人さし指を何度も突き上げた。9回1死一塁。札幌大谷・西原が最後の打者・奥川恭伸を二ゴロ併殺に打ち取ると、抑えていた感情が一気に爆発した。優勝候補の星稜相手に、わずか1安打1失点完投勝利。駒大苫小牧以来となる道勢13年ぶりの栄冠をつかみ、「まだ勝った実感が沸かない。あっという間でした」と、夢心地の1時間36分を振り返った。

 大一番で圧巻の快投劇を披露した。初回に2者連続三振で好スタートを切ると、3回まで1人の走者も許さない完璧投球。5回に、この試合唯一の安打を許して1死二、三塁からスクイズで先制を許したが、西原は「すぐに(気持ちを)切り替えた」。最速140キロの直球と変化球を織り交ぜ、打力も光るプロ注目投手の奥川を4打数無安打に抑えるなど、快投で反撃を呼び込んだ。

 家族との約束を果たした。13年秋に全道で準優勝した同校に憧れて、中等部に入学。だが、下宿は禁止されており、実家のある赤平市から約2時間かけて通った。午前4時に起床し、父・智洋さん(41)が車で、特急の止まる滝川駅まで送ってくれた。滝川から札幌まで特急定期を購入しての電車通学。帰宅は午後9時にもなった。起きるのがつらい日もあったが、西原は「好きな野球をやらせてもらっているのに、つらいと言ったら親に申し訳ない」と、弱音は吐かなかった。

 中学3年夏に全国大会に出場。1回戦で敗れた夜、智洋さんに「高校で全国制覇する」と約束した。中学のつらい日々を忘れぬよう、高校入学時に購入したグラブには「感謝の気持ち」と刺しゅう。今ではクタクタになったため、自室に刺しゅうグラブを飾り、感謝を忘れずに成長してきた。

 12日は母・恵さん(43)の誕生日だった。1日遅れで「優勝」というプレゼントを贈った西原は言った。「この最高の仲間たちと優勝できたのはうれしい。この先にはセンバツ(来年3月、甲子園)もあるので、またみんなで練習してさらに強いチームになりたい」。部員全員が北海道出身の“オール道産子”でつかんだ初優勝。その中心には、間違いなく背番号1がいた。(清藤 駿太)

 ◆札幌大谷(札幌市)1906年4月に私立北海女学校として創立。48年、札幌大谷に改称。2009年に男女共学となり、同年に野球部も創部。道大会へは春2、夏4、秋3の合計9度出場(夏は南北海道大会)。生徒数は807人(うち女子496人)。部員数は56人(うちマネジャー1人)。主な卒業生にはヤンキース・田中投手の妻・里田まい(タレント)や女子アイスホッケー平昌五輪代表の藤本那菜らがいる。

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