札幌大谷、星稜・奥川攻略へ“秘密兵器”導入…軽量木製バットで打力アップ目指す

スポーツ報知
軽めの木製バットで黙々と打撃練習を行う札幌大谷ナイン

 今秋の明治神宮野球大会・高校の部で初出場初優勝を果たした札幌大谷が、早くも難敵攻略へと動き出した。25日、ナインは札幌市内の同校屋内練習場で大会後初めて2学年そろって練習。打撃練習ではスイングスピード向上を図り、通常の金属バットより100グラム以上軽い木製バットを導入した。神宮大会決勝の星稜(石川)戦では、プロ注目の150キロ右腕・奥川恭伸投手(2年)の前に無安打。“奥川攻略”を目標に、今オフは打力アップを目指す。

 金属とは異なる独特の打撃音が、室内練習場に響き渡った。この日始動した札幌大谷ナインは、いきなり木製バットで打撃練習。金属バットより芯が狭く、打つのが難しいと言われる木製で、いとも簡単に快音を響かせた。それもそのはず。使っているのは、金属より100グラム以上も軽い木製バット。船尾隆広監督(47)は「速いスイングを体に染みこませるため」と、意図を説明した。

 日本一に輝いても、油断はない。初出場ながら初優勝を飾った明治神宮大会では、勝った喜びと同時に、全国レベルの強さを思い知った。決勝の星稜戦では、逆転した7回2死一、三塁から2番手で相手エース・奥川が登板すると、打者4人が無安打と完璧に封じ込まれた。船尾監督も「奥川君を見たことで『もっとスイングスピードを上げないと打てない。このオフは野手全員で上げていこう』という話になった」。難敵攻略へ、軽量バットを武器にする。

 来年3月のセンバツ(甲子園)出場に“内定”しており、ナインの気持ちは「センバツモード」に切り替わっている。例年、軽量バット使用は年明けから。だが、センバツ出場を見据えてこの日から“秘密兵器”を導入した。指揮官も「例年より2、3週間早めて準備をしていかないといけない」。今後は軽量バットと金属バットを交互に使用。速いスイングを体に染みこませ、奥川攻略の足がかりとする。

 2年生は23日に修学旅行から帰道したばかり。神宮大会後、約2週間ぶりの全体練習となった。主将の飯田柊哉捕手(2年)は前夜、「この仲間と過ごす最後の冬。全員で切磋琢磨(せっさたくま)しよう」と同学年全員にメッセージを送った。「ここからレギュラーも白紙。チーム内で競争し、厳しくやっていきたい」。打棒に磨きをかけながら、センバツ初出場の吉報を待つ。(清藤 駿太)

 ◆西原「150キロ目指す」

 投手陣は今オフの目標に「自己最速更新」を掲げた。この日からスピードスケートの選手などが使用するスライドボードを導入。スケーティングの姿勢で左右に動くことで、内転筋など下半身の強化を図る。最速142キロのエース右腕・西原健太(2年)は「夏までに150キロを目指して頑張りたい」と力を込めた。

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