新潟県大会“球数制限”導入「強豪校に有利」反対意見もやってみることに意味…記者の目

スポーツ報知

 新潟県高野連が来年の春季新潟県大会で投手の球数制限を導入することが22日、分かった。各都道府県高野連が管轄する公式戦では初の取り組み。故障予防や選手の出場機会増などが目的で、投球数が100球に達した投手はそれ以降の回では投球できない。この日、新潟市内で開かれた会議で明らかにされた。

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 今回、新潟県高野連が打ち出した球数制限の導入は英断と言っていい。今夏は記録的な酷暑、金足農・吉田輝星の熱投などもあり、世間では球数制限を求める声が相次いでいた。一方で、「複数の投手がいる強豪校に有利になる」といった反対意見も根強い。どちらが正解か? 分からないからこそ、やってみることに大きな意味がある。

 まず試してみることで、故障予防の効果はあったのか、戦術に変更は強いられたのか、現場の選手や監督はどう感じたのか―が分析できる。それが他の都道府県高野連、さらには日本高野連が追随するかどうかの判断材料になる。甲子園に直結しない春の県大会で導入するというのも、テストとしては最適だろう。

 また、今回の発表が「新潟県青少年野球団体協議会」が主催する「NIIGATA野球サミット2018」の場で行われた意味も大きい。関係者は「今回は高野連が発表したが、球数制限で選手を故障から守ろうというのは、新潟の野球界の共通認識」と説明。小中学生など各年代にも導入していくという。

 勝敗への影響は危惧されるところだが、選手を故障から守るという目的自体に反対する人はいないだろう。各年代という縦と、他の都道府県高野連という横。双方に広がっていくことが期待される。(東京アマ野球担当キャップ・片岡 泰彦)

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