【小池啓之の高校野球見聞録】指導歴40年の名伯楽が球児たちへエール

スポーツ報知
来春のセンバツに向けて体力づくりに励む札幌大谷の練習風景

 高校野球の指導者として過去に旭川龍谷、鵡川、旭川南を春夏計4度の甲子園に導いた小池啓之氏(67)=旭川市在住=が、自らの経験を元に球児たちへエールを送るコラム「高校野球見聞録」を、随時掲載する。第1回は「冬場のモチベーション」がテーマ。指導歴40年の名伯楽が、意識改革の必要性などを説いた。

 冬を制する者は、夏を制す―。道内の高校野球は、極寒、降雪、結氷などで約半年間は土の上での練習が思うようにできない。そういう状況下でモチベーションを保ち続けることは難しいだろう。だが、考え方次第だ。

 以前、全国的に有名な四国の強豪校の某監督(故人)に「北海道はええな! 半年間、思い切り体力強化ができるぞ!」と言われたことがある。四国でも体力作りはやるが、グラウンドでの練習もできるので、どうしても中途半端になってしまうとのこと。雪に閉ざされる北海道だからこそ、技術面でも徹底した反復練習ができる環境とも言える。そう考えれば、オフシーズンでも前向きになってくるはずだ。

 そこで、まずチームとして、また個人的にも「意識改革」をしてほしい。選手個々が「自分はやれば出来る。上達する!」「毎日の練習の積み重ねが甲子園ロードだ」と信じて頑張ること。言葉だけでは変わらない。行動が伴わなければ。練習はもちろん、学校生活、家での過ごし方など、もう一度、見つめ直す所はあるはず。最終的には「甲子園に呼ばれる選手」なのか自分に問うてみることだ。

 意識改革は本当に難しい。短期間なら少しは変われるだろう。「継続することは才能である」「平凡の繰り返しが非凡」。この言葉を胸に、冬を前向きに頑張って、春にスケールアップしたチーム、個人になろうではないか。必ず「なれる」と信じている。(元甲子園監督)

 ◆小池 啓之(こいけ・ひろゆき)1951年11月15日、東京・品川区生まれ。67歳。兵庫の市立尼崎から駒大を経て77年から旭川龍谷コーチ。甲子園は78年夏にコーチ、83年夏には監督で出場。98年から鵡川に赴任。2002年は部長としてセンバツ出場。同年8月に旭川南の監督に就任。07年は元日本ハムの浅沼寿紀(現・紋別市職員)を擁してセンバツ出場。昨年7月で勇退した。家族は妻と1男2女。

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