【センバツ】星稜の怪物・奥川恭伸、横浜・及川は凄いけどオレがNo.1だ

スポーツ報知
練習場に掲げられた全国制覇を目指す星稜・奥川

 第91回センバツ高校野球大会(3月23日から12日間・甲子園)の出場32校が25日、決まった。今秋ドラフト上位候補に挙がる横浜(神奈川)の最速153キロ左腕・及川雅貴(2年)が、関東・東京のラスト6枠目をもぎ取った。昨秋の関東大会でコールド負けの8強から滑り込みで5年ぶり選出。及川は「てっぺんを目指す」とセンバツ史上最速153キロを更新しての全国制覇に意欲を示した。昨秋の明治神宮大会準Vに導いた星稜(石川)の最速150キロ右腕・奥川恭伸(2年)も平成最後の甲子園で競演する。

 センバツで、高校NO1投手の実力を証明する。昨夏、2年生でただ一人、U18日本代表に選出された奥川は、横浜の左腕・及川を「左であれだけ投げられるのはすごい。異次元な所にいると思う」と評価しながらも、「自分も負けないようにしたい」と胸の内に秘めた思いを打ち明けた。

 目指すのは「糸を引くようなボール」だ。昨夏の甲子園で、目標に掲げていた150キロを達成。センバツへ向けて「球速はこだわらない」と球質を追求している。「力み過ぎると直球がシュートしたり沈んだりしてしまう。力を入れなくても体重移動で投げられるようにしたい」。週5回、約60球の投球練習では通常の18・44メートルより長い26メートルの距離から投げ「糸を引く」感覚を磨いている。

 昨秋は強豪ひしめく北信越大会と明治神宮大会で計7試合、48回1/3を投げ、3失点(自責点0)、65奪三振、与四死球3と好投。数々の専門誌で表紙を飾るなど、注目度は高まる一方だが「周りの期待に応えられる選手にならなければ、自分の目指すところ(プロ)にたどり着けない」と自覚している。

 「OBが作ってくれた星稜の伝統を引き継ぐとともに、平成最後の甲子園で新しい歴史を作れればと思う。甲子園は自分を成長してくれる場所。今度は優勝という形で終わりたい」。聖地のマウンドで見据えるのは、OBの松井秀喜氏(44)らも果たせなかった、石川県勢初の全国制覇だ。(勝田 成紀)

 ◆奥川 恭伸(おくがわ・やすのぶ)2001年4月16日、石川県かほく市生まれ。17歳。宇ノ気小2年から宇ノ気ブルーサンダーで野球を始め、宇ノ気中3年時に全国中学校軟式大会優勝。星稜高では1年春の北信越大会で公式戦初登板。趣味は釣り。好きなプロ野球選手はヤンキース・田中将大。50メートル走6秒5。遠投100メートル。183センチ、84キロ。右投右打。家族は両親と兄。

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