【センバツ】札幌大谷の197センチ左腕・阿部剣友「5枠」入りへ猛アピール

スポーツ報知
ブルペンで投球練習を行う札幌大谷・阿部

 第91回センバツ高校野球大会(3月23日開幕・甲子園)に初出場する札幌大谷が27日、札幌市内の同校屋内練習場で出場決定後初の練習を行った。投手陣はベンチ入りの「5枠」を争う競争が激化。197センチの大型左腕・阿部剣友(けんゆう、1年)は、ブルペンで53球を投げ込むなど猛アピールした。初出場優勝した昨秋の明治神宮大会はわずか1イニングの登板のみ。悔しさを糧に、センバツでの雪辱を誓った。

 乾いた捕球音が、ブルペンに響き渡る。札幌大谷の阿部が、197センチの長身から豪快に投げ下ろした。角度ある直球に変化球を交えて投げ込んだ53球。最後はこん身の真っすぐで締めると、「久しぶりの投球で力んだ。センバツ出場は決まったが、まずは自分がベンチに入らないと。1日1日の練習を大事にしたい」と、表情を引き締めた。

 悔しさを胸に秘めてきた。昨秋の明治神宮大会は準々決勝の国士舘(東京)戦に先発。初回を1安打無失点に抑えるも、緊張で制球が定まらず1イニングで降板した。阿部は「頭の中が真っ白で、視界はほぼ正面しか見えていなかった」と準備不足を猛省。帰道後は就寝前に甲子園で登板する姿を思い浮かべるなど、イメージトレーニングで雪辱を誓ってきた。

 成長は著しい。中学3年の春で194センチを誇り、高校入学後もさらに伸びて今冬の体力測定では197センチに達した。サイズが上がったことで、球速も昨秋より2キロ増の最速136キロを計測。船尾隆広監督(47)も「あの身長で投げられたら嫌だよね。自分が打者なら打席に立ちたくない」と、言わしめる大型サウスポーは期待の一人だ。

 だが、選手間競争は激化している。船尾監督は投手のベンチ入りを「5人」と定める。現状は横一線だが、来月中旬に鹿児島県で行う1次合宿で、メンバー選考が行われていく。合宿では紅白戦などの実戦を行う予定であり、阿部は「状態を合わせていかないといけない。自分の武器は身長を生かした投球。アピールしていきたい」。本番まで残り2か月。聖地のマウンドに立つ日まで、負けるわけにはいかない。(清藤 駿太)

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