センバツ初出場・札幌大谷に4月男子学生寮が誕生 春夏甲子園へ追い風

スポーツ報知
待望の男子寮も用意され、勢い付く札幌大谷ナイン

 第91回センバツ高校野球大会(3月23日開幕・甲子園)に初出場する札幌大谷に今年4月、待望の男子学生寮が誕生する。1月上旬に札幌市東区にある同校近隣の建物を取得。付属の中学、高校、大学の野球部など、遠方から通う生徒らが入寮する。これまでは下宿だったために、入学できなかった地方の中学生らの受け入れ態勢も整った。昨秋の明治神宮大会で初出場優勝し、中等部の入部希望者も増加。最大目標である春、夏2季連続甲子園出場への追い風となりそうだ。

 札幌大谷に心強い施設が誕生する。2009年4月に男女共学化されて10年を迎える今年、同校が初の男子学生寮を備えた。1月上旬に鉄筋コンクリート5階建てで、計37部屋を擁する同校近隣の建物を取得。今年4月に中学、高校、大学の野球部のほか、サッカー部など3つの運動部で遠方から通う生徒たちが入寮する。

 待ちわびた待望の施設だ。元々は女子高だったため男子寮はなく、遠方からの入学者は学校指定の下宿で生活してきた。だが、中学生の入居は原則禁止だった。道内で唯一の硬式野球部がある付属の中等部も、地方からの入学希望者は多いが、通える生徒か札幌市内に親戚がいて、同居の協力を得られる家庭に限られてきた。

 過去には遠方から通う選手もいた。エース右腕の西原健太(2年)は中学時代、実家の赤平市から2時間かけて通った。午前4時に起床し、両親の車で特急の止まる滝川駅まで移動。滝川から札幌まで、特急定期を購入しての電車通学を続けた。今後は、学校管轄の寮となるため中学生の入居が可能。通学時間を練習や勉強に注げる環境も整った。

 “日本一効果”も現れている。昨年11月の明治神宮大会を初出場優勝したことで、中等部の練習見学会には100人以上を越える小学生が足を運んだ。13年秋に全道準優勝した翌春には、現2年生の西原ら最多の30人が入学。今春は30人を越える入部希望者が見込まれており、住まいも一新されて、受け入れ体制も整った。

 全国で好成績を挙げ、住環境も整ったことで今後は、道外からの入部希望者も見込まれる。だが、太田英次総監督(51)は「(道外からの)入部希望者がいれば、断ることはない。ただ、北海道出身だからこそ意味があるよね」。明治神宮大会は部員全員が北海道出身の“オール道産子”で初優勝。次なる夢を抱いた道産子球児たちが、寮から羽ばたく。

 (清藤 駿太)

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