横浜・及川、151キロ出た! 9球団スカウトも騒然も冷静「たまたまじゃないですか」

スポーツ報知
練習試合で5回1安打無失点、6奪三振と好投した横浜・及川(カメラ・山口 泰史)

◆招待試合 横浜3―2美里工(9日・コザしんきん)

 今秋ドラフト候補の横浜・及川(およかわ)雅貴投手(新3年)が9日、沖縄市で招待試合・美里工戦に先発し、5回を1安打無失点、6奪三振。今季初登板で151キロをマークした。センバツ(23日開幕、12日間)に出場するエースが、上々のスタートを切った。

 必要以上に力むことなく、及川はしなやかに左腕を振った。初回は先頭の右打者に右前打、2回は2つの四球を許し走者を背負ったが、常時140キロを超える直球とスライダーで冷静に後続を断つ。3回以降は完璧に抑え、5回1安打無失点の好投。打っては4回に右中間へ三塁打を放つなど2安打1盗塁だった。

 試合後、DeNAのスピードガンが151キロを計測したことを伝えられても「調子がいいというわけではなかったけど、無失点に抑えられたのが成長。(151キロは)たまたまじゃないですか」と淡々と振り返った。

 ネット裏では9球団20人のスカウト陣が熱視線を送った。巨人の武田チーフスカウトは「この時期、これだけ投げられたら十分。体のバネがあって、フィールディングもうまい」。DeNAの稲嶺スカウトも「スピードは魅力だし、球の質もいい。投げながら修正していたし成長している」と高く評価した。

 球速が注目を集めるが、本人は冷静に受け止めている。この日、“ビッグ4”の創志学園・西が149キロ、星稜・奥川が147キロをマーク。それでも「数字はあまり意識してない。それよりもピッチングの内容が大事」。最速ではなく、最高の投手を目指している。

 ここまで真っすぐ、スライダーだけで戦ってきたが、センバツへチェンジアップも用意。この日は「投げるタイミングがなかった」が、実戦投入できるところまできている。「ピッチングの感覚を取り戻すため、考えてやっていきたい」と話したMAX153キロ左腕。2週間後に開幕するセンバツへ、順調に態勢を整えている。(山口 泰史)

 ◆及川 雅貴(およかわ・まさき)2001年4月18日、千葉・匝瑳(そうさ)市生まれ。17歳。小3から軟式の須賀スポーツ少年団で野球を始め、6年時にロッテマリーンズジュニア選出。八日市場二中では匝瑳シニアに所属し、U―15W杯日本代表で大会最優秀防御率。横浜では1年春からベンチ入りし、2年連続で夏の甲子園出場。183センチ、74キロ。左投左打。家族は両親と姉。

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