高校野球の「もう一つの主役」吹奏楽部が輝く瞬間…6・16「ブラバン!甲子園ライブ」の見所はココだ

スポーツ報知
17年の「ブラバン!甲子園ライブ」で客席を沸かせた横浜のブラバンと応援団

 高校野球の強豪4校の吹奏楽部と応援団が一堂に会するコンサート「ブラバン!甲子園ライブ2019」が6月16日の午後3時から、東京・渋谷区のNHKホールで行われる。出場校はともに2度目の参加となる日大三(東京)、横浜(神奈川)に加え、習志野(千葉)と東海大相模(神奈川)が初出場。高校野球応援をこよなく愛する本紙野球デスクが、当日の見所をつづった。

 吹奏楽部や応援団は高校野球応援において、白球を追う選手たちを後押しする存在だ。そんな彼ら、彼女らが「主役」として紅白歌合戦の舞台でもあるNHKホールの夢舞台に立つ-。

 あらためて、素晴らしいイベントだと思う。

 2年ぶりとなる東京での開催は第1回に熱狂をもたらした横浜、日大三に加えて、習志野と東海大相模が出演することになった。「美爆音」に「縦じまのプライド」。ともに高校野球ファンに親しまれ、リスペクトされてきた名門であり、心が躍る。

 第1試合は「横浜対東海大相模」。言わずと知れた神奈川高校野球の黄金カード、名勝負数え唄だ。球界に多くのビッグネームを輩出してきた両校は、人気も全国区。応援曲に少年時代、少女時代の夏模様を想起するオールドファンも少なくないだろう。

 横浜は2020年4月から共学化が決まっており、男子校としての出演はこれが最後になりそうだ。第1回のNHKホールでもその「男の匂い」は際立ち、強い音圧と独特のグルーヴはオーディエンスの心に響いた。対する東海大相模は伝統と新しさの絶妙な融合が魅力。「Tのマーチ」は「ニッポンの8月のお茶の間」そのものとも言える。夏の神奈川大会を前に「横高対相模」を6月のNHKホールで堪能できる喜びをかみ締めたい。好勝負は必至だろう。

 第2試合の「日大三対習志野」もたまらない。疾走感あふれる日大三の名曲「Come on!!」は攻撃的な三高野球を体現するかのように強くビートを刻む。対する習志野の「レッツゴー習志野」はもはや、習志野市民のソウルミュージック。「美爆音」の人気は広く全国区となっている。両校ともに、客席に元気や勇気を与えてくれる演奏を繰り広げてくれそうだ。

 最後に4校によるセッションが予定されているという。昨年の大みそかには、サザンオールスターズの桑田佳祐と松任谷由実が「奇跡のコラボ」を繰り広げたNHKホールという磁場で、「6・16」にはどのようなケミストリーが起こるのか、耳を澄ましたい。

 当日MCを務める「高校野球大好き芸人」のいけだてつやさんと、高校野球ブラバン応援研究家の梅津有希子さんのトークも楽しみだ。お二方とも現場に赴き、当事者とふれあうことで最前線の情報を入手し、情熱をもって世間に発信するタイプの表現者だ。演奏の合間には、出演4校にまつわる心躍るエピソードで、ライブに彩りを加えてくれることだろう。

 今回のライブが成功を収め、野球応援を愛する輪がさらに広がり、吹奏楽部や応援団の皆さんの新たな希望となることを祈りたい。(野球デスク・加藤 弘士)

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