札幌大谷・山口竜、高校初のベンチ入り…７３年甲子園出場の父が支え

　第９１回センバツ高校野球大会（２３日開幕・甲子園）に初出場する札幌大谷が１３日、ベンチ入り１８人を発表した。昨秋までメンバー外だった山口竜一塁手（新３年）が、高校初のベンチ入り。本番直前に滑り込みでつかんだ聖地切符に、左の大砲は「うれしいの一言です。これまでつらいことの方が多かったが、諦めずに良かった」と表情を緩めた。

　持ち味の打棒で懸命のアピールを続けた。２月の鹿児島合宿での紅白戦で山口は、バックスクリーン上段にぶつける本塁打を放った。メンバー選考最後の試合となった１２日の箕島（和歌山）戦では「６番・一塁」で先発し、第１打席で中前打をマーク。船尾隆広監督（４７）は「飛ばす力はチーム１、２位。代打での起用を」と期待を込めた。

　一時は“引退”も考えた。昨秋までベンチに入れず、正月明けに「裏方に回りたい」と船尾監督に相談。スタッフらに説得されて考え直したが、支えとなったのは７３年夏の甲子園に札幌商（現・北海学園札幌）で出場した父・和広さん（６３）。幼い頃から父に打撃を習い、親子鷹で甲子園出場を誓ってきた。

　「親子で甲子園に行けるのはうれしい。代打なら初球からフルスイングしたい」と山口。高校初ベンチが甲子園。経験は少ないが、一振りに懸ける準備はできている。（清藤　駿太）