【センバツ】札幌第一・大平主将、一時離脱も3安打1打点で不安払拭「ホッとした」

スポーツ報知
4回1死一塁、この日3安打目となる中前打を放つ札幌第一・大平主将

◆練習試合 札幌第一8x―7滝川二=延長10回タイブレイク=(21日・兵庫)

 23日開幕の第91回選抜高校野球大会(甲子園)に2年ぶり3度目出場の札幌第一は21日、兵庫県内で滝川二と本番前最後の練習試合を行った。延長10回タイブレイクの末、8―7でサヨナラ勝ち。「2番・遊撃」で先発した大平裕人主将(3年)が、4打数3安打1打点と存在感を発揮した。今月上旬には静岡合宿中に腹痛と発熱を発症して一時離脱。開幕に間に合うかが危ぶまれたが、本番直前に不安を払拭(ふっしょく)した。

 頼れる主将が帰ってきた。1点を追う2回だ。相手失策で同点に追いつくと、なおも2死一、三塁から札幌第一の大平が、一時勝ち越しの左前適時打を放った。腹痛から復帰後初のフル出場で3安打1打点。チームも本番前最後の練習試合をサヨナラ勝ちで締め、「ホッとしました。ここから、取り戻していきたい」と、完全復活に表情をゆるめた。

 一時は開幕出場を危ぶまれていた。大平にアクシデントが起きたのは2月7日。静岡での一次合宿中に突然の発熱を伴う腹痛に襲われ、チームから一時離脱した。全体練習に合流できたのは15日の組み合わせ抽選会後で、「休んだぶん、打撃や守備の感覚のズレだってある。間に合わないかもしれないと思った」と、本番前に絶望の縁に立たされた。

 仲間のエールに勇気づけられた。大平が離脱して以降の練習試合は3勝2敗。内野の要の遊撃であり、打線の上位に座る大黒柱の離脱は痛かった。仲間からは「お前がいないとこのチームはダメだ」と連絡も来て、「チームに申し訳なかった。責任感で早く治るように努力した」と大平。懸命の振り込みの成果もあって、滑り込みで開幕に間に合った。

 この日は、7―7の同点で無死一、二塁から始まるタイブレイクに突入。延長10回表を無失点で切り抜けると、直後の裏にバント安打とスクイズで泥臭くもサヨナラ勝ちを決めた。大平は「練習試合でも勝ち側にいることが大事。いい形で本番に入れると思う」。大黒柱の復帰で勝利の執念をも取り戻したチームが、万全の状態で初陣へ挑む。(清藤 駿太)

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