大谷翔平、松井秀喜氏も凌駕する41発ペース 本塁打王争いにも食い込める15打席に1発

スポーツ報知

◆レンジャーズ4―2エンゼルス(4日・アーリントン)

 【アーリントン(米テキサス州)=小谷真弥】エンゼルスの大谷翔平投手(24)が4日(日本時間5日)、敵地でのレンジャーズ戦に「2番・DH」でフル出場。6回の第3打席で右越えに16号ソロを放った。日本人1年目では03年の松井秀喜(ヤンキース)に並び歴代2位タイとなり、1位の06年の城島健司(マリナーズ)に「あと2」に迫った。メジャーの左投手とは実に74打席目(65打数)の対戦で、待望の初アーチだ。

 “ゴジラ弾”にも笑顔はなかった。大谷は敵地のダイヤモンドを鬼気迫る表情で駆けた。11勝左腕・マイナーに得点機で2打席連続見逃し三振に倒れ、3点を追う6回先頭。甘いスライダーを右中間席まで運んだ。出場4試合ぶりの本塁打は、松井がメジャー1年目の03年にマークした16本塁打に並ぶ一発。対左投手には65打数での初アーチとなった。

 「甘い球をしっかり打てて良かった。すごく尊敬している方。すごくうれしい気持ち。毎回初打席は結果が出ていないので、何とか次の打席に生かせるように。そこしか考えてない」

 日本ハム時代の15年3月、ゴジラとは東日本大震災の復興支援イベントで初めて顔を合わせた。そんな憧れに肩を並べた。大谷のすごさを物語るのは出場数の少なさだ。松井が623打数で16発を放ったのに対し、大谷はこの日まで243打数。本塁打率(本塁打1本に要した打数)では松井の「38・9」に対し、大谷は「15・2」だ。もし、松井と同じ打数だったら41本で、本塁打王争いにも食い込める数字となる。「本塁打は出ればいいなというぐらいの気持ち」と言うが、少年時代から憧れたアーチストを凌駕(りょうが)するパワーを見せる。

 松井は常勝ヤンキースの主軸だった。10連戦が当たり前で移動もハードなメジャー生活。渡米後に、改めて偉大さを感じている。「松井さんはレギュラーとして毎日試合に出ている立場。技術的な面ではすごく勉強になることがたくさんある」。現役投手でメジャー通算最多アーチはジャイアンツのM・バムガーナーの17本。マウンドに上がった試合でのアーチではないものの、あと1本に迫った。

 2日前に右肘故障から約3か月ぶりに投手復帰した一戦で、右手薬指に打球を当て腰に張りを覚え、早期降板した。「気持ち的には昨日も出るぐらいの気持ちでいってます」。豪快な一撃で不安を吹き飛ばした。

 日本人1年目の歴代1位は06年の城島の18本塁打。エ軍のレギュラーシーズンは23試合あるが、大谷にとって先発予定日と休養日などを除けば、残り13試合だ。「まだまだいけるように、もっと明日から頑張りたい。あまり比較しないように、自分にできることをやりたい」。数々の不可能を可能にした大谷なら、新記録も夢ではない。

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