大谷、松井超え日本人初の6戦連続長打!新人王へラストスパート

スポーツ報知

◆エンゼルス2-5レンジャーズ(10日・アナハイム)

 【アナハイム(米カリフォルニア州)=小谷真弥】エンゼルスの大谷翔平投手(24)は10日(日本時間11日)、本拠地のレンジャーズ戦に「5番・DH」でフル出場。4回に右中間二塁打を放つと、7回には左前適時打。ともに左腕撃ちで、対左投手からのマルチ安打はメジャー移籍後初だ。6試合連続長打は日本人メジャー初の快挙。試合前はア・リーグの週間MVPを受賞。4月2日から8日までに続き2度目で、日本人のシーズン2度は96年の野茂英雄以来2人目。また、右肘じん帯再建手術の決断は先送りとなった。

 打者・大谷がまたも進化を見せた。4回無死で12勝左腕・マイナーから8試合連続安打となる右中間二塁打を放つと、7回2死一、三塁では変則サイド左腕・クラウディオから打球速度175・4キロと完璧に捉えた左前適時打とした。これまで苦しんできた対左投手からメジャー初のマルチ安打。6試合連続長打は松井秀喜(5試合連続を3度)らもなし得なかった、日本人メジャー初の快挙だ。

 「どういう取り組みで結果を出せるかが大事。(対戦)量は多くなっている分、進歩するんじゃないかなと。前進は…進んでいるかなと思う」と充実感をにじませた。

 足でも魅了した。4回1死二塁から三盗を試みた。一度はアウト判定が下ったが、チャレンジの末に今季9個目の盗塁となり、2ケタ盗塁に王手をかけた。ここ5戦で5度盗塁企図(3度成功)するなど、積極的な走塁が目立つ。「何事もトライしないと良かった、悪かったが見えてこない。何が悪かったかを次につなげたい」。球団によると、1シーズンで10登板以上&9盗塁以上をマークしたのは、後に年間最多安打記録を作るジョージ・シスラー(ブラウンズ=現オリオールズ)がメジャー1年目の1915年にマークして以来103年ぶりだ。

 9月3日からの1週間で打率4割7分4厘、4本塁打、10打点を記録。2度目のア・リーグ週間MVPを受賞した。ソーシア監督は「このまま継続できれば新人王も取れるのでは。今までのパフォーマンス全てを考えれば、新人王に値する」とし、残り18戦に出場させる考えを示した。

 日本人4人目の新人王へはヤンキースのM・エンドゥハー、G・トーレスとのハイレベルな争いとなる。「(監督の)期待には応え続けていきたい。休んでしまった期間もあるし、なかなか思うように進まなかったが、まだ終わっていない。最後まで頑張りたい」と闘志を燃やした。

 ◆ジョージ・シスラー 左投左打の万能選手として1915年にデビュー。同年は一塁手36試合、外野手29試合、投手でも15試合に登板し、4勝4敗。打撃では打率2割8分5厘、3本塁打、10盗塁。翌年から主に一塁手に専念。1920年に当時の新記録、年間257安打(04年にイチローが更新)。打率4割を2度記録し、通算打率も3割4分。1939年に野球殿堂入り。

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