MLBで1球団あたり70億円の臨時収入…ネット技術部門をディズニーが買収

スポーツ報知

 今日からクライマックスシリーズ(CS)が始まるパ・リーグは、グラウンドでは真剣に戦う一方、ビジネス面では協力態勢が深まっている。6球団が出資した「パシフィックリーグ マーケティング社(PLM)」は07年に設立されて10年以上が経過。その間に売り上げは25倍になった。

 米国ではMLBの動画ネット配信のために蓄積したノウハウが球界の枠を飛び出し、今春には1球団あたり70億円を超える“金の卵”を生んだ。

 PLMのモデルとなったのは、MLB30球団が出資する形で2000年に設立された「MLBアドバンスト・メディア(MLBAM=通称・バム)」。MLBAMは、00年からMLB公式サイトや球団サイト運営のサポートを開始。02年から試合のネット生中継に乗り出した。現在はトラッキングデータ「Statcast」運用なども行っている。

 試合の有料配信をはじめとしたネット戦略は大成功。さらに、MLB配信で得られたノウハウを生かし、NHLやWWEの公式サイト運営や試合配信を受託するなど、競技の枠も超えたネット運用を行った。

 MLBAMは15年2月に技術部門を「BAMTech」として分社化。米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ウォルト・ディズニーが16年夏に10億ドルで株式33%を取得。さらに、17年にも15.8億ドルを投資して株式を75%まで買い増し、実質傘下に収めた。米放送局NBCによると、17年の株式売却益は30球団に均等に分配され、今年の第1四半期に、前年のMLBAM利益と合わせて1球団ごとに6800万ドル(約72億円)をもたらした。

 ディズニーはネット配信事業で「Netflix」や「Amazon」から出遅れており、高い技術力を持つ「BAMTech」を傘下に収めることで、巻き返しを図っている。

野球

×