【大谷翔平、二刀流の真実】〈6〉語学力の成長もピカイチ

スポーツ報知
球場入りする大谷翔平

 エンゼルス・大谷翔平投手(24)の連載「二刀流の真実」の最終回は私生活編。新人王に輝いた背景には米国での私生活に慣れてきたことがあった。今年1月から通訳、運転手、練習パートナーとして支えた水原一平氏(33)が証言した。

 慣れない米国での一人暮らし。「SHO TIME」と全米を熱狂させる中でも着実に“進化”を見せていた。水原通訳が驚いたのは語学力だ。

 「めちゃくちゃ上がっています。話す方も自分から話すし、聞く方もかなり理解している。(首脳陣も)簡単に話してくれるのですが、ほぼ理解している」

 スプリングトレーニング中の米メディアの取材では聞かれることが多かったが、今季終盤には水原通訳が訳す前に内容を把握していたという。

 米ロサンゼルスで育った水原通訳は英語を覚えようと渡米してきた多くの留学生と接してきた。その中でも大谷の成長スピードはピカイチだという。

 「(英語は)自信を持って下手でも堂々と話せば上達する。翔平は自然とそれができている。すごいなと思います」

 渡米後は家庭教師をつけずに「家で何かしらの教材を使っている」という。スペイン語も「ラテン系の選手と接する中で少しずつフレーズを覚えて披露している」。近い将来にヒーローインタビューで英語で話すことも遠くなさそうだ。

 1か月1万円ともいわれた質素な私生活は渡米後も変わっていない。トラウトから「ファッションセンスがない」と酷評されたことがあったが、気にしていないようだ。

 「全部自分で買ってますが、そんなに買い物も行ってない。キャンプ中にちょろっと買って、シーズン中も球宴休みの1回だけ。物欲はないですね」

 食生活でも朝食はオムレツを自分で作り、試合後は用意される“球場メシ”。外食も休み前だけだが、そこでの食事も徹底されているという。

 「(カロリー、脂質などは)かなり考えている。焼き肉の時はユッケをいつも頼んでいるが、ライスは食べてない。でも、デザートはちょいちょい。彼は甘党なので」

 これまで大谷は私生活について「あまり外は出ない。(日本時代と)そこは変わらない。基本的に野球を頑張りたい」と話している。身近な目標があるから頑張れるのかもしれない。世界一と評されるM・トラウトだ。水原通訳はよくこんなことを聞いていた。

 「『なんなんだよ、あいつは』『どんだけすごいんだ』とよく言ってました。めちゃくちゃ尊敬してますね。(ベンチ裏で)よく打撃の話をしてます。打撃のアプローチ、考え方とか」

 日本人では17年ぶり4人目の新人王は通過点。「世界一の野球選手」への挑戦は続いていく。(特別取材班)=おわり=

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