【ヒルマニア】先発手薄チーム影響必至「投手3人対戦」NPBでも採用か

スポーツ報知

 「ヒルマニア」は、スポーツ報知でメジャーリーグを担当し続けて41年の蛭間豊章記者が、マニアックなメジャーネタをお送りします。

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 メジャーが労使双方で、大胆な規則変更を議論しているが、中でも「投手の打者3人との対戦」の義務化は、野球の戦法を覆す変更になりそうだ。

 根底には、伸びる一方の試合時間の大きな要因となっている、イニング途中の投手交代を少しでもなくすことにある。これが実現すればワンポイントのリリーフだけではなく、昨季レイズのキャッシュ監督が考案実行した救援投手を先発させる「オープナー」への影響は必至だ。

 オープナーは昨季、先発の手薄なチームに一気に浸透した投手起用法で、ナ・リーグ優勝決定シリーズ第5戦ではブルワーズは初回に先発の左腕マイリーがドジャースの左打者に四球を与えると、次の右打者で右腕に代えた。キャッシュ監督は今季も引き続き戦法として使うと話していただけに、それも今後は難しくなりそうだ。

 AP通信によると、打者1人で降板した投手は昨季1145人。これがなくなれば9イニング換算で平均約3時間かかっている試合時間短縮に大きな助けになるとともに、各チームは同じ利き腕の打者を3人続けるような愚をおかさず、よりジグザグ打線を組むのではなかろうか。早ければメジャーで来季、マイナーでは今季から導入されるというが、そうなればメジャーの野球規則変更に対し1年遅れで採用してきたNPB側にも大きな影響がありそうだ。(ベースボールアナリスト)

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