ヤンキース・サバシアの会見に出席した田中将大が語るチームの絆とは

スポーツ報知
サバシアの会見に聞き入る田中

 オールスター戦選出6度、インディアンス時代の2007年にサイ・ヤング賞を受賞したヤンキースのC C・サバシア投手(38)が16日、キャンプ地タンパで引退会見に臨んだ。

 昨年オフ、ツイッターで、2019年限りで引退する意向を明かしていた左腕は、「その時が来た。素晴らしい思い出が一杯。家族と共に過ごす時間を増やしたい。こうしてキャリアを終えることは光栄だ。今季は自分の持てる力の全てを捧げたい」と語った。

 通算246勝、2986奪三振。「250勝&3000奪三振」の区切りの大記録は目前だが、「個人記録より一生懸命な選手だった、と人々の記憶に残れば嬉しいし、チームメートにいい奴だったと覚えて貰えたら、目標は達成できたことになる」

 2008年オフに当時の投手史上最高額となる1億6100万ドルの7年契約をでヤンキースと結んだ。2009年にリーグ最多勝の19勝を挙げて、チーム9年ぶりのワールドチャンピオンに貢献。以来10年間、先発陣を支えた左腕の会見に、メジャー6年目の田中将大投手らチームメートも出席した。

 ヤ軍で引退会見に選手が同席したのは、2014年のD・ジーター遊撃手以来。当時新人だった田中は、「あの時は、まだ、よく訳が分からない中。今回は、同じ先発として多くの時間を過ごして、思いは別のものがある。クラブハウスでの存在感。投手陣のリーダーとして、皆のリスペクトを感じる。影響力の大きい選手とやれていることは幸せ。尋常でなない。素晴らしいキャリアだと思う。(これまでは)報道だけだったけど、最後になるんだなという実感はある」と、期待と重圧の中、幾多の故障を乗り越え、ヤンキースの先発ローテーションの要を守り続けた左腕に特別な思いを語った。

 この日は、先立って4年総額4000万ドルで再契約したセベリーノ投手の会見があり、そこにも先発陣が出席。音頭をとったのは、サバシアだった。当初、ミーティングの予定だったが、コーチ陣に時間変更を掛け合って、会見に駆けつけた。

 昨年の公式戦最終登板。味方打者が頭部付近に危険球を受けると「チームメートが危険に晒された」と報復死球。退場処分を受け、達成目前の投球回による出来高50万ドルをフイにした。球団はその男気を評価、結果的に出来高満額を支払った。

 「チームを家族と思って接している。だから、セベリーノの会見にも皆で行こうとなる。そういう考えがあるから、ああいう行動(報復死球)にもなる。家族を守ろうとして」と田中。サバシアに有終の美を―。チーム一丸、ワールドシリーズ制覇への思いが更に強くなった。(タンパ=一村順子通信員)

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